2019 Fiscal Year Research-status Report
中脳神経回路網の機能再生を目指した新規治療戦略の確立
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19K07854
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
西村 周泰 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (90527889)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ドパミン神経 / iPS細胞 / ダイレクトリプログラミング / 細胞移植治療 / 細胞運命決定 / シングルセルRNA-seq / 創薬 / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、薬剤、多能性幹細胞およびin vivo direct reprogrammingを有機的に融合させた発想・手法をもとに、失われた中脳ドパミン神経回路網の機能的な再生および形態的な再生を促す新規治療法の開発となる基盤を構築することである。この目的のもと、2019年度はヒトiPS細胞からのドパミン神経細胞への誘導系の確立、in vitro direct reprogrammingを進めるためのマテリアルの取得および実験条件の至適化に重点をおいて研究を実施した。またパーキンソン病モデルラットの作成も確立し、in vitroからin vivoへの一連の研究スキームは立ち上げることができた。 iPS細胞からドパミン神経への誘導効率および誘導様式の特異化を進めるためヒト中脳発生過程におけるsingle-cell RNA-seqデータベースから標的となりそうな分子を複数特定した。現在、この分子を標的として、薬剤を用いたシグナル伝達系の修飾による表現系の解析法を立ち上げている。将来的には、iPS細胞から誘導したドパミン神経をモデル動物脳に移植する際に、この薬剤を付加することで、脳内でのドパミン神経の成熟の促進および神経回路形成の促進を検討するとともに運動機能改善への寄与を解析していく。 また同データベースから中脳ドパミン神経の特性維持を担う可能性のある複数の転写因子を同定にも成功した。今後、この遺伝子のクローニングし、まずはin vitro direct reprogramming法を用いて、この遺伝子およびすでに報告されている遺伝子セットと組み合わせて強制発現させた時の細胞特性や誘導効率などの解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト中脳発生過程におけるシングルセルRNA-seqデータベースをサーチすることで、ヒトiPS細胞から中脳ドパミン神経を誘導にするにあたって、誘導効率や特異性を担う標的を複数特定した。またダイレクトリプログラミングに必要なマテリアルも揃えることができ、誘導効率の検討を進めるための実験条件の至適化を進めることができた。またin vitroの実験系だけでなくin vivoの実験系も立ち上げることができ、概ね当初の計画通りに進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
標的とする分子が明らかになったことで、研究の計画が立てやすくなった。今後は、まずin vitroで、この分子を標的としながらiPS細胞からドパミン神経の誘導様式の変化を解析する予定である。またまたダイレクトリプログラミングについても実験条件の至適化が完了し次第、誘導効率や誘導様式等の検討を進めていく。
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