2021 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴ脂質シグナリングを介する老化肺病態機構の解明
Project/Area Number |
19K07864
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石丸 和宏 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70595446)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺線維症 / スフィンゴ脂質代謝 / 老年医学 / 間質性肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
老化肺の一病態である間質性肺炎/肺線維症は指定難病であり、病態解明に基づく新規治療法の早期開発が望まれる。我々は以前に、細胞膜スフィンゴ脂質由来の生理活性因子,スフィンゴシン-1-リン酸 (S1P)の受容体サブタイプ、S1P2が肺線維症を促進する事を報告した。本研究課題では、このS1P2が持つ肺線維症促進作用を、組織・細胞特異的条件付きS1P2欠損マウスを用いて解明する。今年度も前年度に引き続き比較検討しうるコンジェニック系統と目的マウス匹数の確保に手間取り続け、比較検討しうるデータ蓄積には至らなかった。今回の実験結果として以下の傾向が認められ、S1P2を介する肺線維症病態形成機序は肺構成細胞間の複雑な相互作用により制御されている可能性が示唆された。 1. 赤色蛍光タンパク質発現マウスを用いた予備実験から肺構成細胞Xに特異性が高いと判断したCreリコンビナーゼ発現マウスを用いて、細胞X特異的S1P2欠損マウス(S1P2 X-CKO)を作出しブレオマイシン誘導性肺線維症の程度を比較した。S1P2 X-CKOマウスは野生型マウスで誘導された病変に対して「抑制」傾向にあり、病態と正相関する気管支肺胞洗浄液(BALF)内細胞数も「減少」していた 2. 一方、肺構成細胞Y特異的S1P2欠損マウス(S1P2 Y-CKO)では肺線維症は「増悪」傾向を認め、BALF内細胞数も「増加」した 3. 肺構成細胞Z特異的S1P2欠損マウス(S1P2 Z-CKO)では、野生型と比し肺線維症・BALF内細胞数に差異が認められなかった
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