2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of extracellular matrix aging in the pathogenesis of TTR amyloidosis
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19K07869
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三隅 洋平 熊本大学, 病院, 講師 (80625781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 泰輝 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (00806408)
増田 曜章 熊本大学, 病院, 助教 (50464459)
植田 光晴 熊本大学, 病院, 教授 (60452885)
山下 太郎 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (90381003)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アミロイド / 細胞外マトリックス / 細胞老化 / 線維芽細胞 / トランスサイレチン |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性および野生型トランスサイレチン(TTR)アミロイドーシスの病態においてTTRは本来可溶性の血清蛋白質であるが老化に伴ってアミロイド化し、細胞外マトリックス(ECM)に沈着して致死的な臓器障害を起こす。本研究では、ECMがアミロイドーシスの病態の鍵を握る極めて重要な組織環境であることから、ECM構成分子およびECMを維持する線維芽細胞の老化が、アミロイド線維形成・分解に与える影響を包括的な解析により明らかにすることを目的とした。線維芽細胞の細胞老化によるTTR分解除去能、アミロイド形成阻止能の変化をin vitroで解析するために、生体内のECMを模したコラーゲンゲルおよび線維芽細胞株による三次元培養系の作成を行った。TTRの分解除去の評価については、TTRあるいはアミロイドの定量を行うためにウエスタンブロッティング、ELISA、蛍光免疫染色によるの評価系を確立した。未変性あるいは非アミロイド性凝集体化させたTTR(野生型およびV30M変異型)、生理的条件でアミロイドを形成する断片化TTR(81-127ペプチド)、患者剖検組織より抽出したアミロイド線維を培養線維芽細胞に添加し、本細胞がアミロイド線維を取り込む際の経時的な形態変化の観察を行った。また、線維芽細胞の老化の誘導のために、二次元培養条件で線維芽細胞の継代を繰り返し、老化の形質を示す細胞を得た。電子顕微鏡観察、共焦点顕微鏡観察により、凝集体化させたTTRおよび断片化TTRが線維芽細胞内部に多量のアミロイド線維の取り込まれる像が認められた。また線維芽細胞の各種マーカーとの二重免疫染色では、アミロイドとリソソームマーカーの一部の共局在が認められた。アミロイドが大量に取り込まれた線維芽細胞においてはリソソームマーカーの減少、電子顕微鏡観察では線維芽細胞内構造の著明な変化が認められた。
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