2019 Fiscal Year Research-status Report
原発性アルドステロン症におけるバイオマーカーとしてのマイクロRNAの意義
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19K07885
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉本 貴宣 東京医科歯科大学, 医学部, 非常勤講師 (80297457)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アルドステロン / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は次世代シーケンサーを用いて、重症型原発性アルドステロン症(PA)の原因疾患であるアルドステロン産生腺腫(APA)に特徴的なmicroRNA(miRNA)を探索し、その病態生理における役割を検討することとした。次世代シーケンサーによる網羅的解析の結果、21種類のmiRNAがAPAもしくはKCNJ5変異APAに特異的な発現動態を示し、手術によって血中発現量が減少することが示唆された。これら21のmiRNAのうちqPCRにおいて5つのmiRNAが次世代シーケンサーの結果と合致した。すなわちAPAにおいて非APAと比べて発現量が高いmiRNA370、およびKCNJ5変異APAにてそれ以外のAPAに比べて発現量が低いmiRNA299, 362, 4526, 589を得た。更に、これら5つのmiRNAが制御する標的遺伝子候補をバイオインフォマティクス解析で選定して、実際に当該miRNAと標的候補遺伝子mRNA発現量を相関解析したところ、miRNA299はL型Caチャンネルβサブユニットをコードする遺伝子CACNB2のmRNA発現量と有意に逆相関を示すことが示された。APAサンプル数を62例に増やしてAPAにおけるmiRNA299とCACNB2およびCYP11B2の相関を見たところ、miRNA299とCACNB2の逆相関が確認され、更にCACNB2とCYP11B2の正相関が認められた。またmiRNA299とCYP11B2の逆相関もみとめた。結語:次世代シークエンサーと定量PCRを組み合わせた今回の検討で、APAの腫瘍組織において特徴的な発現動態を示す複数のmiRNAを発見した。中でもmiRNA299はCACNB2を抑制的に制御することでCYP11B2の発現量を調節している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原発性アルドステロン症の病態と関連性のある、いくつかのmiRNAを同定できており、進捗は順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
miRNA299とmiRNA4526はCACNB2を抑制的に制御することでCYP11B2の発現量を調節している可能性が示唆され,その臨床的意義について検討を予定している。
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Research Products
(1 results)