2019 Fiscal Year Research-status Report
Trial of combined use of Kampo medicine for pneumococcal vaccine therapy-Proposal of a new treatment aiming at enhancement of antibody titer
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19K07893
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
南 正明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (70418739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 利明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80326561)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺炎球菌 / 肺炎球菌ワクチン / 漢方薬 / 補中益気湯 |
Outline of Annual Research Achievements |
漢方薬・補中益気湯、人参養栄湯、抑肝散半夏陳皮をそれぞれ前日から経口投与したマウスに肺炎球菌ワクチンを皮内投与した。その後漢方薬をワクチン投与後8日間投与し続けて、屠殺後、無菌的に血液と脾臓を採取した。血液から血清を分離して、ELISA法で肺炎球菌ワクチン抗体価を測定した。又脾臓から脾臓細胞を分離して、肺炎球菌ワクチンで24時間刺激後の脾臓細胞のトリチウム-チミジン取込能をRI法で、細胞培養上清のIL-2, IL-4値をELISA法で測定した。肺炎球菌ワクチン投与のみのマウスでは、ワクチン抗体価が上昇したが、人参養栄湯、抑肝散半夏陳皮を併用投与したマウスでは、ワクチン抗体価が有意に抑制されたが、補中益気湯は抑制されなかった。脾臓細胞もトリチウム-チミジン取込能や、細胞培養上清のIL-2, IL-4値も肺炎球菌ワクチン単独投与と比較して、人参養栄湯、抑肝散半夏陳皮との併用投与では有意に抑制されたが、補中益気湯は抑制されなかった。以上の結果より免疫調整能を持つとされる漢方薬でも肺炎球菌ワクチン抗体価に対して様々な影響を持つことがパイロット実験での八味地黄丸の件とも合わせて確認することができた。この影響が脾臓細胞からのサイトカイン分泌の結果からもT細胞を介しての作用機序であることも本研究で明らかになった。しかし今回の結果はあくまで13価(PCV13)での結果のみであり、次年度以降の23価(PPSV23)のワクチンでの結果の確認も必要とされる。また本年度予定していた漢方薬の投与期間別についてもこの結果を参考にした上で多少の修正を加えた上での次年度の実施に結びつけていく方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の結果では人参養栄湯、抑肝散半夏陳皮と比較して、補中益気湯が肺炎球菌ワクチン抗体価低下に影響を及ぼさないのが明らかになったので、ほぼ当初の目的通りに進行している。次年度は、補中益気湯の構成生薬での肺炎球菌ワクチン抗体価に及ぼす影響を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、計画通りに補中益気湯の構成生薬並びにそれらの天然化合物とその他の医療用漢方薬に対する肺炎球菌ワクチン抗体価に及ぼす影響を検討する予定である。また本年度実施できなかったワクチン投与期間別、ワクチン種類別の検討も併せて行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度は、補中益気湯の構成生薬並びにそれらの天然化合物とその他の医療用漢方薬に対する肺炎球菌ワクチン抗体価に及ぼす影響を検討する予定に加えて、本年度実施できなかったワクチン投与期間別、ワクチン種類別の検討も併せて行う予定なので、本年度以上に使用額の増額が必要である。
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