2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢心不全患者に和温療法を用いた認知機能・筋力改善効果と分子的機序の解明
Project/Area Number |
19K07895
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
豊田 茂 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80332998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 忠和 獨協医科大学, 医学部, 特任教授 (10163891)
小尾 正太郎 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (10734452)
井上 晃男 獨協医科大学, 医学部, 教授 (20168454)
安田 智洋 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (20549604)
中島 敏明 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50227790)
有川 拓男 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90285817)
狩野 豊 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90293133)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 和温療法 / 認知機能 / フレイル / 温熱刺激 / 高齢心不全 / 骨格筋芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
基礎研究では、温熱刺激が骨格筋に及ぼす効果に関して培養マウス骨格筋芽細胞を用いて検討した。リアルタイムPCRを用いてmRNAの発現変化を定量した。温熱刺激群では、速筋のマーカーであるMyh1、Myh2、Myh4と遅筋のマーカーであるMyh7、Myl2、Myl3はいずれも増大した。速筋のマーカーであるMyl1は変化しなかった。次にDNAアレイを用いて網羅的なmRNAの発現変化を検討した。温熱刺激により38遺伝子が1.5倍以上増大し、59遺伝子が2/3以下に減少した。この中には12種類の転写因子があり、神経細胞の増殖や分化に関与する転写因子も含まれていた。質量分析計で網羅的に蛋白の発現変化を同様に検討した。同定できた640種類の蛋白のうち、温熱刺激により114蛋白が1.5倍以上増大し、143蛋白が2/3以下に減少した。DAVIDを用いたバイオインフォマティックスでは、細胞外のエクソゾームに関連する蛋白が温熱刺激に関連していた。 臨床研究では、当院に入院した65歳以上の高齢心不全患者に対し、和温療法器を用いた和温療法を心不全急性期離脱後1回/日計10-20回施行し、脳血流シンチ、認知機能検査またフレイル評価として握力、歩行速度、筋量、Barthel Indexまた日常活動能力の指標としてSF36を和温療法前後で検討している。これまでに10例実施しており、その中には脳血流が増加し認知機能が改善する症例、フレイルが改善する症例もみられている。今後さらに症例を重ねて検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎研究はおおむね順調に進んでいる。 しかし臨床研究ではCOVID-19の影響で2020年3月より心不全患者さんが減少しているため今後影響をうけることが予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらなる臨床研究の継続と、温熱刺激による基礎的な検討を予定している。
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Causes of Carryover |
基礎実験では、取得したカルシウムデータ解析を優先して実施したため、動物実験に使用する動物数、試薬などの支出が少なかった。繰り越した予算は追加実験に充当する予定で予算化している。また臨床研究では、登録症例の各種血液バイオマーカーの測定を一括して行うために次年度使用額が生じた。引き続き症例登録をすすめるとともに、各症例から得られた各種血液バイオマーカーの測定やSF36を含めた評価を今年度にまとめて行う予定である。
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