2019 Fiscal Year Research-status Report
13C-ブドウ糖呼気試験による臓器別糖酸化処理能評価法開発と糖代謝異常病態の検討
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19K07906
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
澤田 正二郎 東北大学, 大学病院, 講師 (60509420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 圭 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00644808)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ブドウ糖呼気試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
食事で摂取されたグルコースは腸管で吸収後に門脈を経て肝臓に流れ込み、その約3割が肝臓で取込まれ、グリコーゲンとして蓄積される。グリコーゲン合成および蓄積には食後に分泌されるインスリンと肝臓におけるインスリン作用が重要な役割を担う。そして、肝臓における糖取込みの破綻は食後高血糖につながる。肝当取込みを臨床的に評価できる手段として、肝生検におけるグリコーゲンの定量や膵クランプ法などがあるが、いずれも侵襲的であり臨床検査として頻用性に乏しい。そこで、我々は安定同位体で標識されたブドウ糖(13C-glucose)を経口摂取後に代謝された分だけ13CO2が呼気排出される手法(13Cグルコース呼気試験)を用いて、負荷後の肝臓における糖利用が評価できるのではないかと仮説して研究を行った。健常者に対して15gのブドウ糖液(100mgの13Cブドウ糖を含む)を経口投与して、負荷後180分まで30分毎に採血と呼気の収集を行った。1)負荷後の経時的なグルコース値の変化は全身の糖利用の指標となり、2)呼気の13CO2の変化は全身の糖酸化の指標となり、3)血中インスリンとCペプチドの比率(肝インスリンクリアランス)は肝臓におけるインスリン作用の指標となる。糖利用は酸化的利用と非酸化的利用の合計であることから、これらの3つ臨床指標を統合解析することで、肝臓における負荷後のグリコーゲン蓄積を推定できると考えた。 まずはpilot研究として少数例で15gのブドウ糖液を経口投与で負荷した結果、負荷30分後に血中グルコース値は40mg/dL増加しピークとなった。インスリンは負荷30分後に、Cペプチドは負荷45分後にピークとなり、呼気13CO2は負荷120分後にピークとなった。 今後は被験者数を増やして、各種指標との統合解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
pilot研究として少数例で15gのブドウ糖液を経口投与で負荷した結果、負荷30分後に血中グルコース値は40mg/dL増加しピークとなった。インスリンは負荷30分後に、Cペプチドは負荷45分後にピークとなり、呼気13CO2は負荷120分後にピークとなるという、今後、被験者数を増やしていく上での基礎値を作成することができた。本検査を正確に行う上での体制が確立され、当初の計画通りにおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は被験者数を増やして臨床データを蓄積するとともに、ブドウ糖代謝における各種指標との統合解析を行う予定である。
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