2021 Fiscal Year Research-status Report
呼吸器悪性腫瘍における血管新生阻害治療の低侵襲な効果予測法を確立をめざす研究
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19K07910
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森瀬 昌宏 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00612756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 昌彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (10322736)
菊地 良介 名古屋大学, 医学部附属病院, 副臨床検査技師長 (30721435)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管新生阻害剤 / VEGF-A |
Outline of Annual Research Achievements |
呼吸器悪性腫瘍(肺癌・悪性胸膜中皮腫・胸腺腫および胸腺癌を含む胸腺腫瘍)は、いずれも予後が不良の疾患である。これらの腫瘍の増殖・転移には腫瘍内の血管新生が大きく関与しているため、血管新生阻害治療が重要な治療法の一つとして注目されてる。これまで血管新生阻害剤の効果予測に有用なバイオマーカーを同定することを目指した研究がおこなわれてきたが、血管新生阻害治療が有効な患者さんを事前に判定する効果予測法は確立されていない。本研究は、血管新生の過程に重要な蛋白であるVEGF-Aに着目して、体に負担の少ない方法での血管新生阻害剤の効果を予測する方法を確立することを目指している。本研究では血中のVEGF-Aの評価を行い血管新生阻害剤の効果を予測する方法を確立するため、肺癌、悪性胸膜中皮腫での検討を進めている。今年度までに悪性胸膜中皮腫の症例に関して、患者背景、標準治療であるシスプラチン・ペメトレキセド、ニボルマブの各治療効果を含む臨床データを集積した。胸膜剥皮、胸膜肺全摘術を含む外科治療との集学的治療症例に関しても各治療効果を含む臨床データの集積を完了した。また胸腺腫瘍に関しても、新たにVEGFRを含む複数のチロシンキナーゼを阻害するレンバチニブが実臨床で使用可能となっており、胸腺腫瘍における血管新生因子VEGF-A評価は胸腺腫瘍の予後予測およびレンバチニブの効果予測に有用な可能性があり、合わせて評価していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題における研究進捗として、今年度までに悪性胸膜中皮腫の症例に関して、患者背景、標準治療であるシスプラチン・ペメトレキセド、ニボルマブの各治療効果を含む臨床データを集積した。胸膜剥皮、胸膜肺全摘術を含む外科治療との集学的治療症例に関しても各治療効果を含む臨床データの集積を完了した。集積した臨床データとVolumetryにより測定される腫瘍volumeについて、腫瘍から産生されるVEGF-A量の相関が存在する可能性を想定しており、volume softwareを用いた腫瘍量とVEGFA発現との相関について解析をまとめる計画が進捗している。肺癌症例に関しては、血管新生促進型VEGF-A165a/抑制型VEGF-A165b産生能のheterogeneity評価として進行肺癌症例におけるVEGFA165a/VEGF-A165bバランスを血漿Total VEGF-A, VEGF-A165bを同時に評価する方法で解析が完了し、解析の結果、個々の症例ごとにVEGF-A165a/VEGF-A165bバランスにはheterogeneityが存在することが確認された。現在、進行肺癌において血管新生阻害剤は、初回治療、二次治療両者で実用化されている。特に、免疫療法と血管新生阻害剤の併用療法の有効性が注目されており、今後、これらの治療をうける患者に対するVEGF-A165a/VEGF-A165bバランス評価による血管新生阻害剤の効果予測が臨床的に重要となり、その手法を確立する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
承認された臨床研究実施計画書に基づき、ヒト血液検体におけるVEGF-A165a/VEGF-A165bバランス評価による効果予測意義の有無についてデータ解析を実施して、成果発表を実施していく。また既治療例においてもVEGFR-2受容体阻害剤が殺細胞性抗がん剤であるドセタキセルとの併用で生存延長効果を示しており、これらの薬剤に関する効果予測手法についても検討を継続していく計画である。データ解析による血管新生阻害剤の効果予測に関わる検討に関しては、AIを用いた解析を加える環境が得られたため、AIによる解析も加えて結果をまとめていくことが可能か検討する計画とする。研究代表者は、研究全体の進捗管理を担当する。研究分担者である菊地はVEGF-A165a/VEGF-A165bレベルの測定を担当し、解析結果の解釈について研究代表者と討議して成果をまとめる。研究分担者である安藤は、統計解析に関して担当する。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染症の拡大状況もあり予定している研究の進捗を次年度使用する予定である。検体の解析に伴う検査キット購入、試薬、物品の使用に関しての研究費に充当する予定である。また学会における最新知見の情報収集、発表にともなう旅費等に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)