2023 Fiscal Year Annual Research Report
Brain signature of pain experience
Project/Area Number |
19K07930
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鹿野 理子 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (20344658)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 内臓痛 / 脳機能画像 / 機械学習 / 予測モデル / 過敏性腸症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は慢性の機能性疼痛を生じうる疾患群(過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア、外陰部痛、クローン病)と様々な形態の痛み(内臓痛・体性痛・機械刺激・温熱刺激)を対象にした脳機能画像研究を国際共同研究として立ち上げた。まず健常者において大腸、胃、食道のバルーン拡張刺激の消化管刺激による内臓感覚と、皮膚への温熱刺激による体性感覚および外陰部刺激による体性感覚を比較検討し、従来型の解析手法により描出された脳機能画像と機械学習アルゴリズムにより抽出したパターンを比較し、機械学習アルゴリズムにより、内臓感覚と体性感覚に特異的な脳活動パターン、および両群に共通する脳活動パターンを抽出し報告した。 また、過敏性腸症候群の安静時脳活動が健常群と異なるか、ひいては安静時MRI画像からその特異的脳活動を鑑別可能であるかを検討するために、従来型の解析に加えて、グラフセオリーを用いた解析を行った。日本とスウェーデンとのデータを用いたが、結果として両国とも過敏性腸症候群と健常群との間にグラフメジャー、ハブ、コミュニティにおける有意差は認めなかったが、抑うつ傾向の影響が両国とも共通して認められた。 さらに、内臓感覚と体性感覚の弁別の際に作成した脳画像解析アルゴリズムを応用し、疾患特異的な症状を予測しうる脳活動パターンを特定する解析を進めた。また内臓痛の痛みレベル予想に特異的な脳活動パターンを作成し、過敏性腸症候群の特徴である内臓知覚過敏を脳活動パターンで客観的に捉えうるか解析を進め、新規症例でアルゴリズムの精度の確認を試みている。 これらの検討の結果を論文化して発表するとともに、消化管から脳への知覚シグナルを含む様々な末梢からの情報とそれに伴う脳から消化管へのシグナルの相互作用による心身相関機能の成り立ち。およびその相互作用の機能不全と想定される病態について考察し総括として論文化した。
|