2021 Fiscal Year Research-status Report
The risk assessment of coronary artery diseas by a novel method to measure dysfunctional HDL-C
Project/Area Number |
19K07933
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
青山 琢磨 信州大学, 医学部, 特任教授 (60422713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣野 明美 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (00534637)
沢村 達也 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30243033)
川崎 雅規 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (50214630) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 変性HDL-C / 冠動脈硬化症 / LOX-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、dysfunctional HDL-C (dHDL)が冠動脈狭窄に関与するかどうかを、明らかにする研究である。 信州大学医学部 分子病態学講座と、同連携大学院 木沢記念病院 循環器病センターにて行う。冠動脈CTを用いて冠動脈狭窄度を評価した症例をA群、B群の2 群に分けている。A群: 冠動脈狭窄75%≦かつ機能的虚血あり、B群: A群以外 A群には、dHDL検査セットA(dHDL、血清脂質等)及びB(心エコー、心電図等)を施行し、冠動脈造影、血管内超音波装置にて、脂質成分のプラーク内の組織性状 の定量解析を進めている。適応症例では、方向性冠動脈粥腫切除術を施行しており、採取プラークの免疫組織標本を作製し、病理学的検討を加えている。その 後、ガイドラインに従い、LDL-C値を100mg/dl未満に保ち、1年後、2年後に冠動脈CT評価、dHDL検査セットA及びBを施行し、dHDLの冠動脈硬化症への関与を評価 する。 B群には、dHDL検査セットA及びBのみを施行している。観察開始後の1、2年後に冠動脈CT、dHDL検査セットA及びBの再検を行い、dHDLの冠動脈硬化症への関与を 評価を行っている。主要心イベントMACE(心臓死、心筋梗塞発症、対象病変の再PCI、心臓バイパス術)の有無に関しても検討している。以上の方法にて、 dysfunctional HDL-C (dHDL)が冠動脈狭窄に関与を明らかにしていく。 コロナウイルスによる全国的な病院受診患者減少と、当院の2回にわたる院内感染の蔓延、そして当院の新築移転に伴い、現在研究の進展に関して遅れを生じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究開始に当たって、信州大学及び当院の両施設おける本研究の倫理委員会承認に、時間がかかったため、研究開始時期が遅れた。2020 年はじめより、全国的なコロナウイルス問題にて、病院受診、紹介患者数が減少しており、循環器内科も同様に受診、入院患者数が減少した。そのうえ、2020年8月に循環器内科病棟がコロナウイルス感染にて閉鎖状態となり、2021年更に当院は、全国有数の院内コロナウイルスクラスターとなっ た。その間、外来、病棟業務はじめ、心臓CT、カテーテル検査、冠動脈治療に関しても一切施行不可能な時期が数ヶ月生じ、現在も入院患者数の制限をおこなっている状態であった。また、2022年1月に旧病院から新病院への移転があり、移転業務のため、検査、治療件数は引き続き制限を受けた。それに伴い本研究への参加する症例登録が困難な状況が持続した。現時点で60症例となっている。このため、研究は遅れ、延長せざるをえなかった。研究システムは、完成し、稼働しているが、dHDL等の採血による検体及び、方向性冠動脈粥腫切除術による冠動脈プラーク組織切除検体の染色や免疫染色に 関しては、まとまった検体数(採血検体 80検体程度、組織切除検体 30検体程度)が揃ったところで、検査、解析を行い、目標症例100例まで順次、検体を追加していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年の2,3月の当院のコロナウイルスの病院クラスターによる本研究進展への影響は、多大であった。2021年夏季より2022年2月にかけて、当院の移転の伴う臨床業務を中心に大きな制限生じたことが本研究の遅延につながった。研究を1年延長することにより、新病院になったことによる患者数の増加および本来の検査、治療件数の確保が十分可能な状況になっている。 当院では、平常は1600症例の冠動脈CT 及び、500症例の冠動脈形成術を行っているため、研究目標症例数である100症例まで、不足症例を早急に登録、解析を行う。このため、現在生じている、遅れに関しては、症例登録を早急に進め、2022年以内に完結する。随時解析を施行し、学術的に意味のある結果に関して、学会、論文等にて発表、公開していくこととし、早急に研究を完遂する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延による病院クラスターと、当院の病院移転にて期待された検査、治療が滞ったため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、当初の予定通り、消耗品費、学会旅費等に使用する予定である。
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