2020 Fiscal Year Research-status Report
質量分析計によるレジオネラ属菌の同定及び血清型別法の構築・臨床応用
Project/Area Number |
19K07947
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
曽川 一幸 麻布大学, 生命・環境科学部, 准教授 (50436440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古畑 勝則 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (00308305)
谷口 俊文 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20724826)
石毛 崇之 千葉大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (30757315)
小寺 義男 北里大学, 理学部, 教授 (60265733)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レジオネラ属菌 / MALDI-TOF MS / 細菌同定 / 血清型別 |
Outline of Annual Research Achievements |
レジオネラ肺炎による死亡数は依然として高く、呼吸不全を呈する市中肺炎の原因菌に限ると肺炎球菌(18.2%)に次いでレジオネラ菌(14.4%)が多い。レジオネラ肺炎の診断には尿中抗原検査が有用であるが、L. pneumophilia血清1型以外の感度は著しく低い。質量分析計によるL. pneumophiliaやL. pneumophilia以外のレジオネラ属菌の同定一致率は62.26%、66.4%と著しく低い状態である。血清型別検査は頻度の高いL. pneumophilaの血清型1の試薬及び2から14までの型混合ラテックス試薬を用いているため、血清型1は判定できるが2から14までの血清型を個別に判定することは困難である。 令和2年度は質量分析計(MALDI-TOF MS)で同定率の低いL. pneumophilaの同定率の向上を目指して、測定方法を検討した。MALDI-TOF MSにおいて測定方法は、コロニーを直接測定、コロニーにギ酸を添加し測定、コロニーからタンパクを抽出し測定する3通りある。L. pneumophila分離菌株31株を用い各方法での同定率は、コロニーを直接測定で75.9%、コロニーにギ酸を添加し測定で82.8%、コロニーからタンパクを抽出する測定で100.0%であった。L. pneumophilaの同定は、コロニーからタンパクを抽出する測定が最適であった。 令和3年度はL. pneumophiliaの血清型別法をコロニーからタンパクを抽出する測定で構築し、臨床応用を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は質量分析計(MALDI-TOF MS)で同定率の低いL. pneumophilaの同定率の向上を目指して、測定方法を検討した。MALDI-TOF MSにおいて測定方法は、コロニーを直接測定、コロニーにギ酸を添加し測定、コロニーからタンパクを抽出し測定する3通りある。L. pneumophila分離菌株31株を用い各方法での同定率は、コロニーを直接測定で75.9%、コロニーにギ酸を添加し測定で82.8%、コロニーからタンパクを抽出する測定で100.0%であった。L. pneumophilaの同定において、コロニーからタンパクを抽出する測定を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度はL. pneumophiliaの血清型別法をコロニーからタンパクを抽出する測定でデータベースを構築し、臨床応用を目指す。 L. pneumophiliaの保存菌株40株(血清型1、2、3、6の各10株)を使用して、血清型別について従来法との相関を確認し、データベースを構築後、新たな臨床分離株40株(血清型1、2、3、6の各10株)を使用して検証する。臨床応用として千葉大学医学部附属病院検査部細菌検査室においてルーチン検査として取り入れる。
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Causes of Carryover |
MALDI-TOF MSに使用するマトリックス試薬が年度内に届かなかったため
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Research Products
(5 results)