2020 Fiscal Year Research-status Report
Construction of new clinical laboratory test by magnetic homogenous assay
Project/Area Number |
19K07951
|
Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
隈 博幸 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (40435136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多江 日成子 長崎国際大学, 薬学部, 助教 (00551582)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 磁気マーカー / 免疫検査システム / AFP / cry j1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(令和2年度)は、新たに開発した磁気マーカーの特性解析と、この磁気マーカーを用いた実際の免疫的検出手法の構築、及びその検出結果の妥当性評価を実施した。 磁気マーカーの分散性評価と抗体結合能の評価については、おおむね市販品(リゾビスト)以上の特性を示した。分散性は1週間の室温放置でも95%以上の磁気粒子が沈降しないことを確認している。一方、溶媒の種類に関わらず通常の方法で磁力を付加することにより粒子が凝集しやすくなることが判ったため、凝集を防ぐための磁力負荷装置を開発した。 抗体結合能は、磁気粒子表面のカルボキシ基を増やすことによって市販品より2倍以上の結合能を有することが判った。また磁気微粒子1個あたりの持つ磁気強度も、市販品と比べ若干高く、見かけの磁気強度が上がったため S/N 比も向上したように思われる。詳細な解析結果は現在検討中である。 これらの要素を使用し、花粉抗原cry J1、肝がんマーカーAFPの検出実験を行ったが、おおむね理論通りの検出能を確認できた。また、緩衝液中に溶解させた標準物質だけでなく、実際の血液(血漿)検体中に存在するAFPも検出できることを確認した。 公表するためにはもう少し回数を重ねて実験を行う必要があるが、現行法の5倍~数十倍の検出感度を持っていると思われる。ただし、現在世界で検出技術が確立していない花粉抗原cry J2の検出は今回うまくいかなかった。その他の物質が検出できることを考慮すると、検出に用いる抗体の結合能が悪いと考えられるので、検出用抗体の再考が必要であると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に検出装置の付属品(真空ポンプ)が不調となり修理に時間を要したが、本年度は磁気検出センサーの劣化が起こり交換を要する状況となっている。しかしながら交換ができる業者(連携研究者)は神奈川県であり、大学の方針として現在来県・来学ができないため、データを取ることができず研究がストップしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
検出装置の復旧を急ぐ。令和2年度に取得できたデータは数少ないが、その結果を基に検出手法の改良と臨床評価に関する結果の妥当性を検討し、本手法の有用性、優位性を評価する。ただし、今後の新型コロナウイルス感染状況によっては、研究そのものが滞る可能性がある。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた研究代表者、研究分担者の学会発表旅費を使用しなかった(開催中止、またはWeb開催となったため)。また、検出機器の整備費用も越県のため来学出来ず、延期となったため使用できていない。
|