2021 Fiscal Year Annual Research Report
シヌクレイノパチー前駆症状に関与する口腔微生物神経毒の定量的検討
Project/Area Number |
19K07957
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小澤 鉄太郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (10377153)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / αシヌクレイン / 嗅覚障害 / 自律神経障害 / 口腔微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
シヌクレイノパチーの前駆症状の発症に口腔微生物により産物される神経毒が関与することを明らかにするため、早期シヌクレイノパチー患者の嗅覚機能ならびに自律神経機能を評価し、さらに神経毒を産生する歯周病原細菌の数量(コピー/10μl)をインベーダー法(BMLに委託)を用いて唾液中で測定した。発症4年以内の早期パーキンソン病(PD)患者23例(平均年齢71.6歳)とコントロール11名(平均年齢56.3歳)の唾液を用いてA. actinomycetemcomitans、P. intermedia、P. gingivalis、T. forsythensis、T. denticola、F. nucleatum の6菌種について唾液中の定量検査を行った。A. actinomycetemcomitansについては、唾液中で検出可能であったのはPDで2例、コントロールは0例であり、両群の比較は困難であった。P. intermediaの菌数の平均はPDで1949、コントロールで9であった。P. gingivalisの菌数の平均はPDで1809、コントロールで41であった。T. denticolaの菌数の平均はPDで817、コントロールで15であった。T. forsythensisの菌数の平均はPDで316、コントロールで216であった。F. nucleatumの菌数の平均はPDで113978、コントロールで40974であった。PDの唾液中P. intermedia、P. gingivalis、T. denticola、F. nucleatumはコントロールと比較し明らかに増多していた(Mann-Whitney U test)。本研究では唾液中の歯周病原細菌がPD患者で明らかに増多している結果が得られたが、歯周病原細菌の数量と嗅覚低下ならびに自律神経障害の重症度との間に相関は見られなかった。
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