2020 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症の早期診断における感度特異度の高い電気生理学的診断基準の作成
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19K07966
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
園生 雅弘 帝京大学, 医学部, 教授 (40231386)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 針筋電図 / 反復神経刺激試験 / 診断基準 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度においては、前年度に引き続き後ろ向き研究を推進した。本研究では診断・評価時にはおよそ3割程度の患者しか「ALSの可能性が高い(clinically probable)」以上のカテゴリーに達していないため、フォローアップ情報を得てALSの診断を確認することが重要となる。このため患者を現在フォローしているおよそ数十の他施設に対し、コロナ禍の最中であったが倫理申請をお願いし、その多くから倫理申請完了の連絡をいただいて、これに基づいてフォローアップ情報を得ることができた。これによってエントリー症例が確定し、データを確定できたので、ALSの新たな診断基準を提唱する主論文の執筆を開始した。また、関連研究として、障害分布からALSを示唆するこれまでに記載されていない特徴として、split finger、arm sparingの2つの臨床症候を前年度に見出した。このうちsplit fingerについてはJournal of Neurology, Neurosurgery, Psychiatry誌に採択された。またarm sparingについても論文執筆の最終段階である。この他、ALSの最新の診断カテゴリーである、updated Awaji基準において、本文と提示されている表で定義が異なるという問題について論文執筆はほぼ終了しているが、投稿についてupdated Awaji論文(研究代表者も共著者である)の著者グループと最終的な交渉を行っている。この他、反復神経刺激試験(RNS)をALSの電気診断に加えることの有用性を指摘し、これについて、2021年5月の日本神経学会学術大会、2021年9月のアジアオセアニアALS学会(PACTALS)において発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため他施設への倫理申請依頼が滞っていたが、2020年度にこれをすべて完了できた。これによってデータが確定したため、論文執筆が順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
確定データに基づいた、ALSの新たな診断基準を提唱する論文、そのほかの関連研究の論文執筆、学会発表などを進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため参加を予定していた国際学会がすべて中止ないしweb参加となり、その旅費や登録費などの使用ができなかった。
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Research Products
(11 results)