2020 Fiscal Year Research-status Report
加齢によるオートファジー不全の原因解明とその制御による神経変性疾患の治療法開発
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19K07987
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
鈴木 マリ 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 主任研究員 (20455405)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オートファジー / ショウジョウバエ / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
オートファジーが加齢に伴い低下すること、また寿命延長経路で共通してオートファジーの活性化が見られることなどから、オートファジーの生理的老化における重要性が示唆されている。我々は以前、オートファジー抑制因子であるRubiconが加齢に伴い増加することを報告し、これが加齢に伴うオートファジー活性低下と個体老化の要因の一つであると考えた。野生型ショウジョウバエでは加齢に伴いRubicon蛋白質が増加するが、mRNAレベルでの変化は認められない。そこで、加齢に伴いRubicon発現量が増加するメカニズムとして翻訳後修飾による安定化を予想した。まずHA-Rubicon過剰発現ハエを作製し、過剰発現Rubiconが野生型ハエと同様に蛋白質レベルのみで増加することを確認した。次いで、0・2・4週齢のハエからRubiconを免疫沈降し、LC/MS/MSを用いて翻訳後修飾を解析した。その結果、加齢に伴い変化する翻訳後修飾を見出し、他の手法でも同様の結果を確認した。また、加齢に伴う翻訳後修飾変化には性差があることも見出した。今後は修飾部位を変異させたRubicon過剰発現ハエ、またはゲノム編集によるノックインハエを作製し、加齢に伴うRubicon発現量の変化やオートファジー活性、寿命に対する影響を検討する。また、加齢性のRubicon修飾変化を担う酵素の同定のため、候補遺伝子の変異体やRNAiハエ、リン酸化酵素阻害剤などを用いてスクリーニングを行う予定である。これらの検討から加齢個体におけるRubiconの発現制御とその役割を明らかにすることで、加齢性オートファジー不全のメカニズム解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定に沿って研究を進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の研究計画に従い本研究課題を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
旅費を申請していたが学会がオンライン開催となり支出がなくなったため次年度使用額が生じた。次年度、可能であれば旅費として、または物品費として使用する予定である。
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[Journal Article] Arginine is a disease modifier for polyQ disease models that stabilizes polyQ protein conformation2020
Author(s)
Minakawa EN, Popiel AH, Tada M, Takahashi T, Yamane H, Takahashi Y, Saito Y, Okamoto Y, Yamamoto K, Suzuki M, Takeuchi T, Fujita H, Ito C, Watase K, Adachi H, Katsuno M, Mochizuki H, Shiraki K, Sobue G, Toda T, Wada K, Onodera O, Nagai Y
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Journal Title
Brain
Volume: 143
Pages: 1811~1825
DOI
Peer Reviewed
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