2020 Fiscal Year Research-status Report
脊髄小脳変性症モデルマウスを用いたCRISPR/Cas13による新しい核酸医療
Project/Area Number |
19K07994
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松田 由喜子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 研究員 (10735301)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脊髄小脳変性症 |
Outline of Annual Research Achievements |
優性遺伝生脊髄小脳変性症(SCD)は小脳性運動失調を主症状とする神経変性疾患であり、これまで原因遺伝子が30個以上同定されている。個々の病態も徐々に明らかにされてきたが、低分子医薬品の開発まで至っておらず治療法は未だ対症療法中心である。一方、近年注目されているのが、核酸医薬による分子標的治療であり、SCDのうちリピート病においてオリゴヌクレオチド(ASO)による治療法の開発が進んでいる。しかし、点変異による病型に関してはより特異性の高い新しい核酸医療の開発が必要とされる。 申請者らは、T型Caチャネル(CACNA1G)の点変異がSCDの原因遺伝子であることを見出し(病型:SCA42)、CRISPR/Cas9システムを用いてノックアウトマウスを作製した。このマウスはヒトと同様緩徐な進行性の運動失調症状を示した。SCA42型ノックインマウスを用い、一塩基変異を高感度かつ正確に認識しRNase活性を持つCRISPR/Cas13dシステムにより、点変異型SCDに対する新しい核酸医療を開発することが本研究の目的である。 令和2年度においては、野生型及びノックインマウスの小脳の初代培養系を確立し、昨年度確立したCRISPR/Cas13dシステムに用いるAAV2ベクターの構築及びウイルス作製の系を用いて、プルキンエ細胞特異的にCRISPR/Cas13dを発現するAAV2ウィルスを感染させた。感染の時期、量、効果が見られ始める時期の条件を検討した。現在、ガイドRNAのターゲット遺伝子の転写産物に対する特異性を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの小脳初代培養及びAAV2ウィルスの作製に時間がかかり、ガイドRNAの最適化の検討に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
CRISPR/Cas13dのガイドRNAの最適化の検討を続行するが、変異型mRNAのみに対する特異性が難しい場合、mRNAのノックダウンではなく点変異を正常化編集するCRISPR/Casに変更することも検討する。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画よりやや遅れを生じており、変異型に特異的なガイドRNAの選定に時間がかかっている。令和2年度に計画していた実験を引き続き令和3年度の実験計画に合わせて行う。ガイドRNAを新たに設計し、ウイルスを作製するために使用する細胞への遺伝子導入試薬と精製用カラムに約40万円使用する。作製したガイドRNAの選定のためのノックインマウス小脳初代培養実験において使用するマウスおよび培養試薬、RNA抽出試薬、RT-qPCR用試薬に約40万円を使用する計画である。
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[Journal Article] Aggressive periodontitis and NOD2 variants2020
Author(s)
Mizuno Noriyoshi, Kume Kodai, Nagatani Yukiko, Matsuda Shinji, Iwata Tomoyuki, Ouhara Kazuhisa, Kajiya Mikihito, Takeda Katsuhiro, Matsuda Yukiko, Tada Yui, Ohsawa Ryosuke, Morino Hiroyuki, Mihara Keichiro, Fujita Tsuyoshi, Kawaguchi Hiroyuki, Shiba Hideki, Kawakami Hideshi, Kurihara Hidemi
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Journal Title
Journal of Human Genetics
Volume: 65(10)
Pages: 841-846
DOI
Peer Reviewed
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