2021 Fiscal Year Annual Research Report
A novel model animal recapitulating ALS pathophysiology
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19K08006
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
高橋 祐二 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 部長 (00372392)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ErbB4 / コンディショナルノックアウト / 運動ニューロン / 神経細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病因遺伝子ERBB4の運動ニューロン(MN)特異的なノックアウトマウスを作成し、ErbB4の発現喪失がMN変性の直接原因であるという仮説をin vivoで検証する。 【方法】ChAT-CreERTマウスとErbb4flox/floxマウスの掛け合わせにより、純系のタモキシフェン依存性MN特異的コンディショナルノックアウトマウス(cKOマウス)を作製する。行動解析・神経生理学的解析・病理学的解析を行い、MN脱落の有無を検討し、孤発性ALSのモデル動物としての妥当性を検証する。既知のALSの病態仮説における分子マーカーの挙動を解析するとともに、新規のMN変性関連分子の探索を行う。 【結果】B6系統に対してcKOマウスのN8バッククロスを行い、純系を確立した。8週齢のcKOマウスに対してタモキシフェンを投与し、投与後3ヶ月で明らかなクラスピングの障害を認め、脊髄前角においてMNの脱落を認めた。一方、長期観察例(1年)においても死亡例は観察されず、生命予後には影響しないと考えられた。 【考察】本研究により、ErbB4喪失がMN変性を直接惹起しうることがIn vivoで初めて立証された。孤発性ALSのMN変性のメカニズムにおいてErbB4が主要な役割を果たしていることが示唆された。今後はErbB4喪失によって惹起される細胞内シグナリングの異常を追跡し、MN変性に至る分子メカニズムを解明する。
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