2019 Fiscal Year Research-status Report
ドパミン部分作動薬の抗うつ効果増強作用から難治性うつ病のメカニズムを解明する
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19K08007
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北市 雄士 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80374445)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳内微小透析 / ドパミン / 側坐核 / ドパミン部分アゴニスト |
Outline of Annual Research Achievements |
脳内微小透析法を用いて、SSRIであるescitalopramとaripiprazole、SNRIであるduloxetineとaripiprazoleを併用した際のラットの側坐核および内側前頭前野の細胞外セロトニン、ノルアドレナリン、セロトニン濃度の測定を行っている。Duloxetineとaripiprazoleを併用した際には、側坐核の細胞外ノルアドレナリンを増強する傾向を認めた。これまでにSSRIであるsertralineとaripiprazoleを併用した際は側坐核における細胞外ドパミン濃度の増加を認めていたことから、aripiprazoleの抗うつ効果増強作用は、併用する抗うつ薬によって、増強される脳内の細胞外神経伝達物質が異なる可能性が示唆された。現在、より選択性の高いSSRIであるescitalopramとaripiprazoleを併用した際の細胞外モノアミン濃度を測定中である。本研究を進めていくことで、臨床症状に適した合理的な薬剤選択につながると考えられる。 難治性うつ病患者を対象に、function MRIを用いた臨床研究(クロスオーバー試験)を2020年4月から行う予定であった。しかし、コロナウィルスの影響があるため不要不急の検査を自粛している状況である。そのため、学内の倫理委員会へ臨床研究の申請を行うにとどめている。今後コロナウィルスが収束し、安全に検査を実施できる状況になった時点で研究を再開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎研究については概ね順調に経過している。 難治性うつ病患者を対象にしたfunction MRIを用いた臨床研究に関して、コロナウィルスの影響があるため不要不急の検査を自粛している。そのため、学内の倫理委員会へ臨床研究の申請を行うのみで、実際の患者の受け入れを中止している。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究である脳内微小透析法を用いた研究に関しては当初の予定通り進めていく。 臨床研究に関しては、コロナウィルスの影響が収まった時点で開始予定である。
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Causes of Carryover |
脳内透析実験機械の不具合のため、年度初めころの研究の進みが遅かった。そのためラットの購入費、消耗品などの支出が少なく、研究発表も延期したため。 現在は、研究は順調は進んでおり、ラットや消耗品などを購入している。
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