2020 Fiscal Year Research-status Report
脳内活性化ミクログリアのマルチモダル動態解析による次世代うつ病治療シーズの創出
Project/Area Number |
19K08013
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
亀野 陽亮 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40537255)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横倉 正倫 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00529399)
尾内 康臣 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (40436978)
桑原 斉 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (50456117)
山末 英典 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80436493)
和久田 智靖 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80444355)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | PET / うつ病 / 双極性障害 / [11C]-DASB / [11C]-DPA713 / セロトニントランスポーター / 活性化ミクログリア / MRS |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ病患者数は年々増加し、その対策は喫緊の課題である。一方、抗うつ薬の累積寛解率は67%に留まり、新薬の開発が急務となっている。近年、神経炎症仮説とグルタミン神経仮説それぞれに基づく新薬の治験結果が報告されたが、いずれも効果は非常に限定的であった。そこで本研究では、活性化ミクログリアとセロトニントランスポーターのダブルトレーサーPET、MEGA-PRESSによる1H MR spectroscopy (1H MEGA-PRESS MRS)、炎症性サイトカインとトリプトファン代謝物の メタボローム解析によるマルチモダル解析を行い、神経炎症とセロトニン/グルタミン神経系と抑うつ症状の相関性を検討する。そして、うつ病病態における活性化ミクログリアとセロトニン/グルタミン神経系の相互作用の役割を明確にし、新たな治療シーズの創出を目指す。 当初予定では2020年度は症例リクルートとデータ取得を行う計画であった。具体的には、2年間でうつ病患者、健常対照者を各25名ずつ、つまり単年度では両群合わせて25名を募集する目標であった。この目標に対し、2020年度までに健常者19名、うつ病患者12名の計31名をリクルートし、うち中止は1名であった。中止1名に関しては検査薬であるPETトレーサーの合成に失敗し、中止となった。また、これまで健康被害などの有害事象の発生はなく、安全に研究が遂行できており、倫理指針の遵守もできている。中止以外の30名に対してそれぞれPET検査、MRI検査、心理学的検査を行った。また、リクルート体制として関連病院にリクルートフライヤーを配布した。また本学ホームページ上でも告知を行い。リクルートの推進を図っている。こうした体制の整備を進め、2021年度は健常者、気分障害患者を含めて50症例を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は思った以上にリクルートを進めることができなかった。理由として他の研究が優先されPET機械のマシンタイムが十分確保できなかったこと、コロナ禍のためリクルートが難航したことがあげられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き関連病院と連携すること、また、産業医との連携も深めてより早い段階での介入を目指すこと、また大学ホームページ上で告知をし、さらにリクルートを推進する予定である。また、こうした対応策はすでに着手しており、順次リクルートに反映される予定である。こうした対応により2021年度は目標である50症例を目指したいと考えている。
|
Causes of Carryover |
2020年度は他PET研究との兼ね合いとコロナ禍もあって研究を一時中断することとなった。そのため、リクルートが進まず研究費の執行が遅れ、次年度使用額が生じることとなった。そこで、感染対策とリクルート体制の強化を進め、2021年度中に目標である50名のリクルートを達成し、研究費を執行する予定である。
|