2020 Fiscal Year Research-status Report
The effect of anesthesia to ECT time about for seizure quality and clinical efficacy, tolerability
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19K08031
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
奥川 学 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80343672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 正樹 関西医科大学, 医学部, 准教授 (00351510)
吉村 匡史 関西医科大学, 医学部, 准教授 (10351553)
諏訪 太朗 京都大学, 医学研究科, 助教 (10518153)
木下 利彦 関西医科大学, 医学部, 教授 (20186290)
西田 圭一郎 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40567567)
嶽北 佳輝 関西医科大学, 医学部, 講師 (70548403)
川島 啓嗣 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (40848222)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ECT / Electroencephalogram / Anesthesia / Seizure / Propofol / Time interval / Remission / Response |
Outline of Annual Research Achievements |
電気けいれん療法(ECT)は治療抵抗性の精神疾患に対する治療として、古くから確立された重要な治療法である。その奏功率は難治例が対象であるにも関わらず、精神科領域の治療としては最大のeffect sizeを誇る。しかし、ECTの奏功機序はいまだに明らかにされていない。本研究はECT時のけいれん発作の質が臨床効果について及ぼす影響について多角的に解析し、治療アルゴリズムの構築と検証を行う。その結果から、ECTの有効な治療基盤の確立を目指す。計画している具体的な研究項目は以下の通りである。 1.ECTによるけいれん発作の質と臨床効果の関係についての前向き臨床試験 2.1の結果を脳機能画像、神経生理学的手法、遺伝学的指標などによって多角的に解析 3.2から得られた臨床効果予測因子や治療指標に基づいて治療アルゴリズムを構築 4.3から得られた治療アルゴリズムとそれまでの知見を用いた有効性・忍容性の検証 現在、本研究には12症例が導入されており、麻酔薬投与から通電までの時間と発作の質の関係を中心に様々な知見が得られ、仮説通りの検証ができている。これらの知見は実臨床においても有益であると考えられており、ECTの症状改善の程度や効果発現の時期における個体差や臨床効果予測因子の同定につながる一助となり得る。その点以外にも、ECT無効例に対する不要な施術の回避や忍容性を最大限に担保するための取り組みにも発展することが考えられており、今後も更なる知見の集積に努める。また、報告者らの研究チームは本研究に関連した報告を数多くしており、第116回日本精神医学会総会では優秀発表賞、第32回・33回 日本総合病院精神医学会総会では優秀ポスター賞を連続受賞し、2021年5月に韓国心身医学会、同年12月にBrain stimulation学会と言った国際学会で発表する予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、研究協力施設である公立豊岡病院精神科、京都大学精神科神経科、関西医科大学総合医療センターの3施設で本研究を開始する予定であったが、関西医科大学総合医療センター以外の施設における人事異動や工事などにより、開始が遅れている状況である。 加えて、コロナ禍において麻酔科との協力が十分に得られない場面も増えている。 現在、3施設間で再度調整しており、年間目標設定症例である70症例に到達できるよう鋭意努力している。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに関西医科大学総合医療センターでは厳格な規定の下で本研究が進行中である。協力2施設でも同様に研究が開始されれば、解析により信憑性をもつことが可能となる。また、本2021年度も各学会で我々の研究チームはECT関連の研究報告を予定しており、本邦における画一的な技術基盤の構築を目指したECT技法の啓蒙活動も行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍などの影響を受け、研究の進捗に遅れが発生したため、論文化に至っていない。 このため、成果報告が可能となる次年度以降に持ち越し、論文投稿費用を予定している。
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