2019 Fiscal Year Research-status Report
Neural basis of "Hallucination and delusion" using schizophrenia mouse models
Project/Area Number |
19K08033
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
三輪 秀樹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 室長 (80468488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 光彦 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 部長 (60240040)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 統合失調症 / ドパミン / 陽性症状 / 陰性症状 / 認知機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、統合失調症の主訴の1つである「幻覚・妄想」に関して、マウスを用いて評価できる行動実験系の確立および分子・細胞・神経回路基盤の解明を目指す。(1)近年「幻覚・妄想」を評価しうる行動実験として着目した、「ラバーテイルテスト」の立ち上げ及び改良を行った。具体的には、現在報告されている論文(Wada et.al.,2016;Buckmaster et.al., 2020)では、実験工程を手作業で行っており、実験の効率が悪く、改良の必要性を感じた。したがって、実験工程をできる限り自動化するため、マイクロコンピュータArduinoを利用し、プログラミングによる実験工程の自動化を行った。(2)本研究計画において、ラバーテイルテストを含む行動実験に用いる遺伝子改変マウスとして、ドパミン作動性ニューロンの動態に着目し、DAT(DAT;dopamine transporter)-Creマウスを用いることを計画している。そこで、Jackson laboratoryから、DAT(DAT;dopamine transporter)-Creマウスを入手し、Ai9レポーターマウス(Cre による組換で tdTomato を発現するマウス)と交配させ、灌流固定後、組織学的解析により、tdTomato陽性シグナルを同定し、ドパミン作動性神経の分布の解析を行った。その結果、黒質や腹側被蓋野においてtdTomato陽性の細胞体を確認できた。さらに、視床、島皮質、前頭前野においてtdTomato陽性の神経終末様構造を確認できた。今後は、これらの結果をもとに、それぞれの脳部位が「幻覚・妄想」様行動にどの様に関与しているのかを明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、「幻覚・妄想」行動をモデル化するにあたって、表象媒介性味覚嫌悪条件付け学習を利用することを予定していたが、よりシンプルな実験工程である「ラバーテイルテスト」を用いることにした。Arduinoを用いた実験工程の自動化も成功したのでより効率的に実験が行えると考えている。また、本研究計画で使用を開始した、DAT-Creマウスの入手・繁殖も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
近年、ドパミン作動性ニューロンの多様性が報告されている。さらに、統合失調症においては、陽性症状と陰性症状において、ドパミン作動性ニューロンの異常な動態が異なることから、それぞれの症状に関与するドパミン作動性ニューロンが異なることを予想していいるが不明な点が多い。したがって、DAT-Cre;Ai9マウスを用いた組織学的解析から得られてtdTomato陽性シグナル分布を参考にし、逆行性AAVを用いたオプトジェネティクスやケモジェネティクスと統合失調症様行動(過活動を評価するオープンフィールド試験、プレパルス抑制試験、スクロース嗜好試験など)を組み合わせることで、どの脳部位に投射するドパミン作動性ニューロンがどの様な統合失調症様行動に関与しうるかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
国際共同研究のため、長期出張を行う必要があり、その間本研究計画は中止したため、予定した計画に使用する消耗品などの購入を控えたため、次年度に使用することにしたため。
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Research Products
(6 results)