2021 Fiscal Year Research-status Report
注意欠如他動性障害の神経基盤の男女差の解明-マルチモダルMRIを用いて
Project/Area Number |
19K08039
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
石井 礼花 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 室長 (40609020)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ADHD / 男女差 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は小児期の注意欠如多動性障害(ADHD)に対して、いままで検討が不十分であった男 女の脳神経学的基盤の差を明らかにし、特に、女児に対するADHD診断 の客観的指標を開発す ることを目的とする。ADHD は小児期に最も多く見られる精神疾患で、男女比が2から10対1 と男児が多く、症状の経過にも男女差がある といわれている。男女差の重要性が注目される ようになってきたが、脳神経学的基盤の男女の差は明らかとなっていない。本研究の指標と して、侵襲性のない 磁気共鳴画像を用い、機能的および構造脳回路結合のADHDの男女の差を 検討し、それぞれ定型発達児との判別を行い診断のための客観的指標の開発を目指す。 客観 的指標を導入する事により、見逃されていたADHDの女児の診断と適切な治療が可能となり、 ADHD 女児の成人期の予後改善につながると考えられる。 2021年度までに、ADHD男児 30名、女児 13名、定型発達児 男児 12名 女児 19名の撮像を行なった。それぞれ、T1画像、ムービー鑑賞時脳機能画 像、安静時脳機能画像について撮像した。また、ADHD症状、問題行動の指標だけでなく、感情制御の指標、愛着、社会サポートやQuality of lifeといった指標 を評価した。さらに、児の母のMRI画像と、親から子供への愛着、育児ストレス指標も取得しており、母子の脳機能の相関解析を行うことができ、母子の愛着に ついての男女差を検討することができるデザインとした。また、子供の質の高いMRI画像を撮像するためには、どのような方法をとるのが望ましいかについてモックスキャナーを用いたpreparationについてのsystematic review, metaanalysisを行い、論文を出版した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染拡大の影響で、特に、学童期の学級閉鎖が頻発するようになり、リクルートができない時期があった。本年が最終年度であったが、男女それぞれ15名以上という目標が達成できなかった。ADHDは女児が、定型発達では男児のリクルートがさらに必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
ADHD児: 女13名、男30名、定型発達児:女19名、男12名MRI撮像したが、それぞれ今年度15名以上を目指し、リクルートを強化している。
|
Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大のため、リクルートが遅れたため、2022年度に繰り越し、MRI撮像を行うことにした。
|
Research Products
(5 results)