2021 Fiscal Year Research-status Report
周産期の母親から子への愛着形成に影響を与える精神医学的・産科学的因子の同定
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19K08040
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福井 直樹 新潟大学, 医学部医学科医学教育センター, 准教授 (90535163)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 周産期メンタルヘルス / 被養育体験 / うつ / 不安 / ボンディング |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】今年度は、思春期以前の被養育体験が、周産期における母子間のボンディングにどのような影響を与えるかを、抑うつ、不安、出産経験などの要因を考慮して検討を行った。【方法】Parental Bonding Instrument (PBI)を用いて被養育体験を調べた。参加者は、妊娠初期(約12~15週)、妊娠後期(約30~34週)、産後(産後4週)の3時点で、Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)とMother-to-Infant Bonding Scale(MIBS)に回答した1301名の妊婦である。出産経験、PBIサブスケール(父親の養護、父親の過保護、母親の養護、母親の過保護)、HADS、MIBSを含む要因を用いてパス分析を行った。【結果】父親または母親からの低養護の養育体験は、妊娠初期のより高いHADSおよびMIBS得点を予測した。さらに、母親からの低養護の養育体験は、産後のより高いHADS得点と、妊娠後期のより高いMIBS得点を予測した。父親または母親からの過保護な養育体験は、妊娠期間中のより高いHADS得点を予測した。さらに、母親からの過保護な養育体験は、妊娠後期のより高いMIBS得点を予測した。初産婦であることは、産後のより高いHADS得点および妊娠初期と産後のより高いMIBS得点を予測した。経産婦であることは、妊娠後期のより高いMIBS得点を予測した。【結論】本研究結果は、思春期以前のネガティブな被養育体験が、周産期における母子間のボンディングに(不安や抑うつを介して)間接的および直接的な影響を与えることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の論文で成果を発表できいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに論文による成果発表を行っていく。
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Causes of Carryover |
引き続き複数の論文発表を行う予定であり、英文校正と論文投稿費用に使用する計画である。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 産後の不安・抑うつ, 出産歴がボンディングに与える影響について2021
Author(s)
松澤幸治, 茂木崇治, 渡部雄一郎, 福井直樹, 小川真貴, 橋尻洸陽, 坪谷隆介, 須貝拓朗, 江川純, 荒木理恵, 生野寿史, 山口雅幸, 西島浩二, 榎本隆之, 染矢俊幸
Organizer
第40回日本精神科診断学会
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