2022 Fiscal Year Research-status Report
周産期の母親から子への愛着形成に影響を与える精神医学的・産科学的因子の同定
Project/Area Number |
19K08040
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福井 直樹 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90535163)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 周産期メンタルヘルス / 被養育体験 / PBI / 因子構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】思春期以前の被養育体験の評価スケールであるParental Bonding Instrument (PBI)の妊産婦における因子構造を明らかにすることを目的とした。【方法】PBIに回答した5053名の妊産婦を対象とした。ランダムに2群に分けて、探索的因子分析と確認的因子分析を行った。同定されて因子構造を用いて、初産婦と経産婦のグループ間、および、父親用と母親用のスケール間、それぞれの間で測定不変性の解析を行った。同定した各因子の得点について、初産婦と経産婦のグループ間、および、父親用と母親用のスケール間、それぞれの間でT検定により比較した。【結果】探索的因子分析により、父親用と母親用ともに、第一因子(Care)、第二因子(Interference)、第三因子(Autonomy)が同定された。確認的因子分析では、父親用、母親用ともに比較的良好な適合度を示した。測定不変性の解析では、初産婦と経産婦のグループ間では完全な測定不変性(residual invariance)を、父親用と母親用のスケール間では弱い測定不変性(metric invariance)をそれぞれ認めた。第一因子の得点は、父親に比し母親で有意に高かった(ケアが高い良好な養育)。第二因子の得点は、母親に比し父親で有意に低かった(過干渉が低く良好な養育)。【結論】周産期女性を対象として同定されたこの3因子構造は、測定不変性も確認できたため、思春期以前の両親から受けた養育体験が、周産期のメンタルヘルスにどのように影響するかを検討する今後の研究に用いることが出来ると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
引き続き、複数の論文発表が出来ているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
さらに論文発表を続けていきたい。
|
Causes of Carryover |
2022年度から投稿中の論文がアクセプトされず、論文投稿料の支払いができなかったため。
|
Research Products
(3 results)