2019 Fiscal Year Research-status Report
Growth factorに着眼した統合失調症分子病態メカニズムの解明
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19K08046
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
林田 麻衣子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (40624747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 新 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 特任教授 (00507014)
宮岡 剛 島根大学, 医学部, 客員研究員 (50284047)
林田 健志 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (50599933)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Growth Factor / インターニューロン / 神経炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
a)統合失調症動物モデルのbFGF作用機序を明らかにするために、認知行動異常の行動学的解析としてプレパルスインヒビション(電気生理学的異常)、オープンフィールド(興奮激越症状)、社会相互作用、Y-maze(作業記憶異常)テストによる認知行動、神経生理学的な評価を完了した。 b)統合失調症モデル動物に共通した脳病理である海馬、腹側被蓋野、線条体を含む凍結切片を作成し抑制性介在ニューロンおよびドーパミンニューロン、脳内免疫の主担当細胞であるグリア細胞の詳細な検討を行っている。統合失調症動物モデルにおいて、パルブアルブミン陽性細胞が海馬各領域において正常モデルと比較し減少していることを報告した(Heliyon 5 2019 e2037)。この抑制ニューロンの減少は統合失調症ヒト死後脳と酷似している所見であり、動物モデルにおいて見出されたことは非常に大きな意義を持つ。統合失調症動物モデルにおいてさらに血中bFGF、ケモカインをELISA法によって定量したところ、bFGFと逆相関関係を示す血中物質を我々は見出した。その知見について現在論文投稿中である。 c)bFGFのニューロン機能安定化の関連が示唆されている前頭葉、海馬、線条体のドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン、アセチルコリンなどの各種モノアミンを高速液体クロマトグラフィによって測定を実施した。解析評価によって明らかとなった統合失調症動物モデルにおけるモノアミン系異常について現在論文作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19感染拡大防止のため、研究業務規の縮小を余儀なくされている。限られた状況下ではあるが、統合失調症モデルにおけるGrowth Factorと神経炎症について知見を見出している。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究を予定していたが、パンデミックに伴い計画通り行うことが困難である。したがって基礎研究をさらに推進する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度については人件費を要しなかったが、次年度については人件費を計上している。また、学会発表のための旅費を計上している。
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Research Products
(2 results)