2021 Fiscal Year Research-status Report
繊毛鞭毛関連タンパク遺伝子変異と水頭症および認知機能低下の関連性についての研究
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19K08050
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小野 慎治 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 客員研究員 (70418820)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 臨床精神医学 / 臨床精神分子遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は,正常圧水頭症発症家系解析によって,繊毛‐鞭毛関連タンパク遺伝子の一つであるCFAP43遺伝子が発症原因であることを発見した。CFAP43遺伝子の他に, これまで Cfap54遺伝子やGemc1遺伝子の変異が繊毛病として正常圧水頭症をきたすことが報告されており, これらCFAP群の変異によって正常圧水頭症を発症している症例も多く存在すると考えられるが, その検証は未だなされていない。そこで我々は, 認知症患者でのCFAP遺伝子群を含む繊毛構成タンパク群の変異スクリーニングを行い, 認知症群での保有頻度を検証することで, 診断および治療への基本知識としたい。 その第一段階として, まず認知機能低下の症状で通院, もしくは入院している患者を対象に,血液もしくは唾液から検体を総計100名程度収集したいと考えた。昨年度から引き続き、新型コロナウイルスの流行下では入院中の訪問は制限がなされており、また、検体の収集には接触を余儀なくされることから,当初予定していた検体数の収集は難しく,未だ予定数の収集には至っていない。また,今後しばらくの期間は収集が難しいと考えられる。新型コロナウイルス感染拡大が収まって平常化しある程度の終息になれば,施設等への訪問が可能になり,検体が予定数収集できると考えている。検体数がある程度集まった方が,少しずつ実施するよりもかなり予算を節約出来るため, 検体の収集を待っている状況である。その状況に備えてスクリーニング自体は簡便に行えるようにターゲットシーケンスの整備は行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍が続いており、第一段階である患者群のターゲットシーケンスは検体が未だ収集完了できておらず、実験、解析を行うことが出来なかった。今後新型コロナウイルスが終息すれば収集を行なっていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
患者群検体の収集が完了すれば、CFAP43遺伝子やそのファミリー遺伝子のターゲットシーケンスを行うことが出来る。手技や解析方法は既に熟知しているため、収集が完了すれば解析は容易に進むことが予想される。また、新型コロナウイルス流行の終息が期待できない場合には、例えば他施設と連携して検体を収集するなどの検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により実験、解析が出来ず次年度使用が生じた。よって次年度は解析に移ることができるように検体を収集し、試薬類の購入に充てる予定である。
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