2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on suicide in cancer: survey and development of training course for suicide prevention
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19K08051
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
河西 千秋 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50315769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 耕太郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00337156)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自殺予防 / 患者安全 / 医療事故 / メンタルヘルス / 心理的危機介入 / 教育 / 多職種協働 / 支援者支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
実績として、以下の成果をとりまとめた。 1)病院内の自殺事故調査の結果をもとに、研究協力を得た日本医療機能評価機構認定病院患者安全推進協議会が発行する、患者安全推進ジャーナルに、研究成果を掲載した(成田,河西,がん患者の自殺関連事故,患者安全推進ジャーナル,69,65‐69,2022) 2)研究成果を踏まえて、和文総説等により課題に関する啓発を行った。 3)同協議会が、2011年に発刊した、ジャーナル別冊「病院内の自殺対策のすすめ方」を、報告者らが実施した最新の研究成果を踏まえて全面改訂し、改訂版を2022年度末に発刊した(報告者と研究分担者らが監修)。同書は、世界で唯一の病院内の自殺予防に特化した専門書籍である。 4)1)2)を踏まえて、2023年度中に実施予定の、院内自殺事故と事後対応のための研修会(認定病院患者安全推進協議会主催)の研修プログラムについて検討をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おそらく、新型コロナ感染拡大による医療機関のひっ迫が主たる要因となり、本研究課題の主たるアウトカムの部分(日本全国におけるがん患者の自殺事故の実態)は、充分なデータを収集することができなかった。しかしながら、報告者のこれまでの研究業績と、本研究課題実施過程における調査、学習、また内外研究者との交流等を重ねた結果、世界で唯一の病院内の自殺予防に特化した専門書籍、「病院内の自殺対策のすすめ方」(報告者らの監修により、認定病院患者安全推進協議会刊行)の発刊を実現することができた。過去の研究計画にとらわれることなく、この成果に基づき、また新たな内外の研究成果を踏まえ、2023年度に実施される予定の病院内の自殺事故予防と事後対応研修会(認定病院患者安全推進協議会主催)に本研究課題の成果を投入し、さらにその研修効果を検証する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
病院内の自殺事故は、国内外で主たる重大医療事故と認識されているものの、効果的な対策が実施される状況になく、また加えて近年、がん患者の自殺がさらに課題としてクローズアップされてきたところである。日本では、がん対策基本法に依拠してがん対策の骨太計画を規定している「がん対策推進基本計画」にがん患者の自殺予防が明記されたところである(最新の2018年版計画)。がん患者の自殺に関しても、報告者ら自らが系統レビューを実施したところ、効果的な自殺予防方略は未開発である。従って、本研究課題は、向後引き続き重要な課題であり続ける。著者らは、すでに、メンタルヘルス不調に陥ったがん患者に、がん相談支援センターと協働で介入研究を開始したところであり、今後は、そういった介入方略を実際に開発し検証していく段階にある。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大により、海外渡航費用が予定外を大きく上回り出費が多額となったが、それ以外には、研究の主要アウトカムに関連する全国調査を終えていたために、その他の出費が抑えられ、結果的に昨年度の課題に対して研究費が余剰となり、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(14 results)
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[Book] こころの科学2022
Author(s)
河西千秋(編集:青木省三、宮岡等、福田正人)
Total Pages
136
Publisher
日本評論社
ISBN
978-4-535-14125-4