2021 Fiscal Year Annual Research Report
アイトラッカーを用いたADHDとASDの視線計測に関する研究
Project/Area Number |
19K08055
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
岩波 明 昭和大学, 医学部, 教授 (80276518)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高塩 理 昭和大学, 医学部, 准教授 (00384256)
岡島 由佳 昭和大学, 医学部, 准教授 (50317525)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ASD / ADHD / アイトラッカー / 視線計測 / ADOS / 表情認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、成人期の主要な発達障害であるADHD(注意欠如多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)について、鑑別可能な生物学的指標を求めることを目的としている。ADHDとASDは基本的な臨床症状は診断基準上では大きく異なるが、生活上、行動上の問題行動やトラブルは類似している面が多く、実地臨床においては診断に悩む例も少なくないことに加えて、両者の症状が併存しているケースもみられる。しかしながら、現時点においては、両者を鑑別する臨床上で有用な生物学的な指標は得られていない。本研究は、非侵襲的な検査方法であるアイトラッカーによる視線計測を用いてADHDとASDを鑑別する臨床的な指標を求め、成人の発達障害の治療およびリハビリテーション、あるいは社会復帰に寄与することを目的としている。 これまでASDを対象として研究において、ASDの当事者は人物を用いた静止画像、あるいは動画課題において人の顔を見る頻度が小さいこと、顔の中では目を見る頻度が少ないことが報告されている。本研究は、ADHDとASDの成人の当事者を対象として、動画課題を視聴している際においてアイトラッカーによる視線計測を行い、両者を鑑別する生物学的指標を得ることを試みた。その結果、成人のASDの当事者においては先行研究と同様に、人物あるいは目を見る頻度が少ないことが示されたが、ADHDにおいてはこのような結果がみられなかった。この結果、視線計測を用いた検討により、両郡が鑑別される可能性が示唆された。
|