2022 Fiscal Year Annual Research Report
加齢精子の非コードRNA制御による精神・発達障害の克服
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19K08060
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Research Institution | Institute for Developmental Research Aichi Developmental Disability Center |
Principal Investigator |
吉崎 嘉一 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害モデル研究部, 主任研究員 (50393161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大歳 維知子 (西島維知子) 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (70600394)
金子 武人 岩手大学, 理工学部, 准教授 (30332878)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 父加齢 / 非コードRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの疫学研究より、父親の高齢化は様々な精神・発達障害の発症リスクを増大させることが知られている。本研究提案では、精子に高発現する非コードRNAが超世代的に仔マウスの神経行動・組織学異常に影響する可能性について検証することを目的としている。これまでに、若齢(3ヶ月齢)および高齢(12ヶ月齢以上)の父親マウスの精子から非コードRNAを抽出、精製した。これらを生殖工学の専門家との共同研究により、受精卵にマイクロインジェクションを実施する予定であったが、新型コロナウィルスによる県外移動制限等により、日程調整がうまくいかずに現在までに実施できていない。 そのため、所属研究所内で完結できる研究として、社会的促進に注目した研究を開始した。すでに開発済みの自発運動量を指標とした社会的促進の行動解析装置を用いて、若齢(3ヶ月齢)あるいは高齢(12ヶ月齢以上)の父親マウス由来の仔マウスの社会的促進を計測した。その結果、高齢の父親マウス由来の仔マウスは、若齢の父親マウス由来の仔マウスと同様に、観察マウスの存在による自発運動量が増加することを見出した。このことより、父親の高齢化はこどもの社会的促進には影響しないことが示唆された。さらに、社会的促進の発達について検証するために、若齢の父親マウス由来の仔マウスを離乳後から2ヶ月に渡り単独飼育したところ、観察マウスの存在による自発運動量の増加が無効になることを見出した。これらより、社会的促進には他個体との直接的な相互作用が必須であることが示唆された。
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Research Products
(7 results)