2021 Fiscal Year Annual Research Report
うつ病および統合失調症におけるドパミン・ノルアドレナリンシグナル制御機構の解明
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19K08083
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
黒岩 真帆美 久留米大学, 医学部, 助教 (20585690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 克典 久留米大学, 医学部, 助教 (10626865)
西 昭徳 久留米大学, 医学部, 教授 (50228144)
首藤 隆秀 久留米大学, 医学部, 准教授 (70412541)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | うつ病 / 炎症性腸疾患 / セロトニン |
Outline of Annual Research Achievements |
当初、精神疾患モデルマウスとして計画していたDISC1遺伝子改変 (変異型DISC1過剰発現) マウスの出生が期待通りでなく、必要な動物の確保が困難であったことから、病態モデルマウスの変更を行った。潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患では、患者の約3割がうつ病を合併することや、うつ病患者は通常の2倍以上、炎症性疾患を発症しやすいという報告があることから、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)投与により炎症性腸疾患モデルマウスを作成し、うつ様状態の解析を行った。8日間のDSS飲水投与により、血便および大腸の短縮や大腸サンプルにおける炎症性サイトカインの発現増加が認められた。うつ様行動を測定した結果、DSS投与最終日よりも、DSS投与最終日から3週間後の方がうつ様行動を顕著に示すことが明らかとなった。DSS投与最終日から3週間後の時点では大腸の長さも正常レベルに回復しており、大腸の炎症に伴う疼痛などが行動解析結果に与える影響も少ないと考えられるため、DSS投与最終日から3週間経過した時点が、炎症性腸疾患に併発するうつ病に解析に最適であると考えた。 トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ (TDO) は、炎症性シグナルにより活性化されトリプトファンからキヌレニンへの合成を亢進する。トリプトファンはうつ病に関連深いセロトニンの原材料でもあることから、TDOの活性化によってセロトニン合成が抑制される可能性があり、うつ病の発症への関与が示唆される。DSS投与期間中にTDO阻害薬を併用投与したところ、DSS投与最終日から3週間後におけるうつ様行動の出現を抑制した。したがって、炎症性腸疾患に併発するうつ病の発症メカニズムにトリプトファンからセロトニンを合成する経路に変化が生じていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)