2019 Fiscal Year Research-status Report
画像と病理の対比に基づいた唾液腺腫瘍の包括的診断フロー構築
Project/Area Number |
19K08092
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
堀越 琢郎 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50456068)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 唾液腺腫瘍 / Radiomics / 画像診断 / 多形腺腫由来癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
機械学習アルゴリズムを用いた画像診断であるRadiomicsを用いた画像解析のためには、多数の症例の臨床データ、画像データ、病理データの収集が必須であり、その作業を行っている。同時に、MRI画像の放射線科医による評価と、唾液腺腫瘍を画像上で領域として設定することが必要で、その評価・領域設定の作業を行っている途中である。 多形腺腫由来癌の症例について先んじて検討を行った。多形腺腫由来癌は、多形腺腫から生じる悪性腫瘍であり、様々な組織型が生じるが、唾液腺導管癌という高悪性度の組織型の割合が高いことで知られている。その予後因子は、組織型、サイズ、リンパ節転移の数、遠隔転移などの他に、病理学的な被膜外浸潤が報告されている。この被膜外浸潤という予後因子について、放射線科医による検討された画像所見での検討とRadiomicsを行った検討とで比較を行った。放射線科医による評価は、腫瘍の形態、辺縁の性状、T2強彫像・T1強彫像の信号、ADC、ダイナミックパターン、造影効果の信号、内部結節の有無などを含めた。Radiomicsは放射線科医がADC map、ダイナミック MRIに関して領域設定をすることで行った。現段階では、Radiomicsによる検討よりも放射線科医による画像所見の検討の方が正診率が高かった。拡散強調像やダイナミックMRI以外の撮像方法(脂肪抑制T2強彫像など)での検討がRadiomicsに入っていなかったためなどの理由を考えている。 現在、本年の検討は、海外学会に演題を提出予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全てにおいて検討するのは、症例数が多く、難しかったため、まず多形腺腫由来癌について、検討し、今後の道筋をたてることができたと考える。 ただ当初の想定よりもエフォートを十分に割り当てられず、症例収集、画像収集が遅れていること、他の組織型についての検討が不十分であることは、今後2年で早急に取り戻していく必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
検討する症例数、組織型をもっと増やし、広い範囲でも検討をしていく。 Radiomicsについては、検討する撮像方法、評価者間の差異を含め検討し、包括的診断フローに早くつなげていきたいと考えている。
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