2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of thermo-responsive micelle for combined region-specific chemo- and brachytherapies
Project/Area Number |
19K08094
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
牧野 顕 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 (00566226)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 放射線内照射治療 / がん / 温度応答性高分子ミセル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小線源療法(組織内照射)と局所での化学療法との併用を可能にする新たな生分解性高分子ミセル製剤の開発を進めている。本年度では、治療用放射性同位元素を内包ミセルを担がんモデルマウスのがん疾部位に投与し、経日的にがんのサイズを計測することで治療効果を評価した。また、抗がん剤と治療用放射線の併用による細胞障害性の増幅効果をインビトロ実験で検討した。 本年度は、計画されていた通り、治療効果の評価に使用する治療用放射性同位元素を定めた。そのうえで、前立腺がん由来細胞であるPC3を皮下移植したマウスのがんがん部位に対して最大17.5 MBqまでの治療用核種を内包した温度応答性ミセルを注入した。コントロールには、治療核種を封入していない温度応答性ミセル、治療用核種を整理食塩水に分散したものを用いた。経日的にがんのサイズ変化、体重を追跡することで、治療効果と顕著な副作用の有無を調べた。いずれの群においても有意な体重減少は認められなかった。また、治療用核種を投与した群では、がんの増大が抑制される傾向が認められた。しかしながら、がんのサイズ変化は個体差の影響が大きいことから、より正確に治療効果を評価するために各群の評価数を増やす必要があることがわかった。次年度も継続してデータの取得を目指す。 インビトロでの評価については、選定した治療用核種と任意の抗がん剤との両方を内包したミセルを調製を検討した。また、それを培養細胞に振りかけたのち、経日的に生細胞数を計数することで殺細胞効果を評価した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
温度応答性ミセルの評価については、当初予定していた治療用核種の決定および動物実験での有効性評価まで達成されている。組織内照射と化学療法との併用療法の有効性評価についても当初予定していたインビトロ評価まで終えた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従い、インビボでの有効性評価を中心に研究を進める。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響で計画していた出張の殆どができなかったため、また、年度当初の非常事態宣言の影響で実験に制限が生じたため、予算に残額が生じた。 残予算については、本年度、追加して実施予定である動物実験やそれに付随する材料合成等の費用として使用する。
|