2019 Fiscal Year Research-status Report
がん免疫療法の治療効果早期判定を目的としたパーフォリン標的画像診断法の開発
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19K08095
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 千恵 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 助教 (20637285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間賀田 泰寛 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (20209399)
中村 和正 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20284507)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PET / がん免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年がん免疫療法の有効性が期待されているが、既存の画像診断法ではその治療効果を早期に診断することは困難である。本研究課題では、がん免疫療法の治療効果早期判定法の開発を目的とし、当該年度には免疫応答時に腫瘍細胞表面に形成するパーフォリン重合体を標的とした新規画像診断プローブを設計し、その標識合成法を検討した。研究開始当初より計画していた炭素-11標識体に加え、物理学的半減期の観点からより高い汎用性が期待されるフッ素-18標識体をあわせて設計し、非放射性標品とそれぞれの放射標識に用いる標識前駆体をそれぞれ4~5ステップの反応により合成した。 フッ素-18標識体合成のための標識前駆体を、種々の対イオン存在下、[F-18]フッ化物イオンと混合し、室温もしくは加熱条件下で反応させた。反応溶液を逆相高速液体クロマトグラフィー (RP-HPLC) および薄層クロマトグラフィー (TLC) で分析したところ、標識前駆体の分解が認められ、目的とするフッ素-18標識体の生成は認められなかった。 炭素-11標識体合成のための標識前駆体を、種々の溶媒に溶解し、塩基存在下、非放射性ヨウ化メチルと混合し、室温もしくは加熱条件下で反応させたところ、非放射性標品と同じRP-HPLCの保持時間を有する化合物の生成を認めた。現在、非放射性ヨウ化メチルを用いた反応の反応条件を参考に、炭素-11標識体の標識合成条件検討を進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初設計・合成したフッ素-18標識体の標識前駆体の溶解性および安定性が想定以上に低く、放射標識に適さないことが判明し、炭素-11標識体や異なる脱離基を有するフッ素-18標識前駆体の合成および標識検討が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、炭素-11標識体の標識反応条件を検討し、PET動物実験に適用可能な標識合成法の確立を目指す。フッ素-18標識体についても、脱離基を変更した標識前駆体を合成し、フッ素-18標識体の標識合成が可能か検討する。標識合成法確立後は、得られたPETプローブを用いて、腫瘍モデルマウスの免疫治療前後における腫瘍集積性を評価し、がん免疫療法治療効果の早期判定法としての可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度には新規画像診断プローブの標識合成法を確立し、細胞実験や動物実験に着手する予定で予算を計上していたが、標識合成法確立に時間がかかったため次年度使用額が生じた。次年度使用額は、翌年度、標識合成法が確立出来次第着手する細胞実験や動物実験に使用予定である。
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