2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of nuclear imaging probes for detection of tumor associated macrophages
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19K08096
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
志水 陽一 京都大学, 医学研究科, 助教 (90634212)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 核医学 / 腫瘍随伴マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
固形腫瘍組織に存在する腫瘍随伴マクロファージ(TAM)のM2型は腫瘍細胞の増殖、転移や腫瘍組織内の血管新生を促進し、腫瘍の悪性化に関与していることが最近報告されている。そこで本研究では、M2型マクロファージではマンノース受容体(CD206)、Tissue Factor(TF)が高発現していることに着目して、「機能ユニット結合型多機能分子プローブ」というプローブの分子設計概念を用いて、CD206およびTFに対して特異的に結合し、化学合成が可能なペプチドを母体とする核医学診断剤を開発し、これまで適切な手法のなかった固形腫瘍の性状診断を可能とする核医学診断法の確立を目指す。 令和元年度は、TFを標的とする核医学診断剤を2剤合成し、それぞれ放射化学的収率10%以上、放射化学的純度95%以上で得た。得られた各化合物について、Ni-NTAビーズおよびTFリコンビナントタンパク質を結合したNi-NTAビーズ(TF-Ni-NTAビーズ)に添加し、添加1時間後における各ビーズの放射能を測定したところ、いずれの化合物もNi-NTAビーズと比べてTF-Ni-NTAビーズに対して高い放射能を示した。また、各化合物をTF高発現細胞およびTF低発現細胞に添加し、添加1時間後の各細胞内放射能量を測定したところ、TF高発現細胞ではTF低発現細胞と比べて高い放射能集積を認めた。以上の結果より、いずれの化合物もTFに対して特異的に結合していると考えられることから、TFを標的した核医学診断剤として用いれる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で標的として選択した生体分子のうち、TFに対して特異的結合能を有する核医学診断剤の開発に成功したので、本研究はおおむね順調に進行しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、令和1年度に引き続きTF標的核医学診断剤の開発を進めるとともに、CD206標的核医学診断剤の開発を並行して進める。
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Causes of Carryover |
令和元年度にRIの製造施設が移転することになり、一時期実験が中止になったため、予算の一部を令和2年度に回すことになった。令和2年度は引き続き薬剤合成を行うとともに、in vitro、in vivo評価を実施する。
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