2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of nuclear imaging probes for detection of tumor associated macrophages
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19K08096
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
志水 陽一 京都大学, 医学研究科, 講師 (90634212)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 核医学 / 腫瘍随伴マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
固形腫瘍組織に存在する腫瘍随伴マクロファージ(TAM)のM2型は腫瘍細胞の増殖、転移や腫瘍組織内の血管新生を促進し、腫瘍の悪性化に関与していることが最近報告されている。そこで本研究では、M2型マクロファージではマンノース受容体(CD206)、Tissue Factor(TF)が高発現していることに着目して、「機能ユニット結合型多機能分子プローブ」というプローブの分子設計概念を用いて、CD206およびTFに対して特異的に結合し、化学合成が可能なペプチドを母体とする核医学診断剤を開発し、これまで適切な手法のなかった固形腫瘍の性状診断を可能とする核医学診断法の確立を目指す。 これまでの検討において各ペプチドリガンドの標的生体分子に対する親和性がそれほど高くないことが明らかとなったことから、令和3年度は各標的生体分子に対して親和性の向上を目指し、RI標識2価リガンド薬剤を容易に可能とする二官能性キレート剤(Ham-Mal)を創製し、Maleimide-Thiole反応を用いてペプチドリガンドと容易に結合可能なこと、室温下の温和な条件下で99mTcと標識可能であること、in vitro, in vivoいずれでもHam-Malを用いて創製した99mTc製剤は結合するリガンドに依存して標的生体分子に特異的に結合することを見出した。また、サイクロトロンおよび多目的合成装置を用いた68Ga製剤の製造法についても検討し、臨床用製剤に求められる品質で大量合成できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は、令和2年度に引き続きCOVID-19の影響により実験室(特にRI施設)への入室制限など研究の制約があったことから、当初予定していた実験、特にRIを用いた実験に遅れが生じている。そのため、期間を延長して令和4年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
CD206標的核医学診断剤の開発・評価を引き続き実施する。
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Causes of Carryover |
令和3年度は令和2年度に引き続きCOVID-19の影響により、実験室(特にRI施設)への入室制限など研究の制約があったことから、一部の研究を令和4年度に延期して実施することにした。令和4年度は繰越予算を活用し、本研究の推進を図る。
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