唾液メタボローム解析を用いた放射線感受性予測法の確立

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K08106
• Research Institution: Tokyo Medical University
• Principal Investigator: 白石 沙眞 東京医科大学, 医学部, 病院助教 (80836510)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 徳植 公一 東京医科大学, 医学部, 特任教授 (00334061) ; 杉本 昌弘 東京医科大学, 医学部, 教授 (30458963)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 体液メタボローム解析 / 放射線治療 / 非小細胞肺癌 / 前立腺癌

Outline of Annual Research Achievements

本研究は患者個々に合わせた放射線治療施行のため、放射線治療の感受性予測をするためのバイオマーカー検索を目的としている。研究対象者については、当初の予定より症例適宜を明確化し、非小細胞肺癌と前立腺癌の診断がつき、根治的放射線治療を行っている症例とした。研究を始めるにあたり、『非小細胞肺癌に対する体液メタボローム解析を用いた放射線感受性予測法の確立』『前立腺癌に対する体液メタボローム解析を用いた放射線性感受性予測法の確立』というプロトコールをそれぞれ作成し、倫理審査委員会の承認を得た。
被験者には説明文書を用いて、非小細胞肺癌では唾液、前立腺癌では尿の採取について説明し検体を採取している。採取の時期は、治療開始前、治療開始２週間後、治療終了時、治療開始3ヶ月後とした。採取した検体から得られる代謝産物の変化をモニタリングして、治療前に感受性予測に役立つバイオマーカーを探索していく。また、前立腺癌については、治療に伴う合併症評価がCTCAEでは詳細に行えないため、国際前立腺症状スコア（International Prostate Symptom Score:IPSS）とQOLスコア（IPSS-QOL）、過活動膀胱症状スコア（Overactive Bladder Symptom Score:OABSS）の質問表を用いて、治療前、治療終了時、治療開始3ヶ月後に評価を行っている。
現在までに各々10名程度の患者登録があり、検体は超低温フリーザーにて保存している。今後、検体が100検体程度になった段階で、データ測定を行っていく。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

検体収集している段階であり、想定外の事象は生じていないが、コロナウイルス感染症の拡大に伴い、特に前立腺癌については、治療時期をずらす事が可能であり、患者数の減少傾向があり、予定よりも検体収集が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

現在同様に、症例を募るとともに、検体が100検体ほどまとまった段階で測定を施行する。その結果をふまえ、国内学会への発表を行っていく。

Causes of Carryover

症例収集が見込みより遅れており、検体測定のための試薬、検体輸送費等の段階まで研究が進まなかったため。