2021 Fiscal Year Research-status Report
Multiparameter analysis of tumor response to anti-PD-1 therapy with integrated PET/MRI in lung cancer
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19K08119
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
梅田 幸寛 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (80401975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 全 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (50302477)
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害剤 / 肺癌 / FDG / FLT / PET / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究の背景>免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は様々な癌腫において標準治療となっているが、その有効性の予測や開始後早期の効果判定は難しい。 <2019年度>ニボルマブ治療を行った非小細胞肺がん症例25症例に対し、治療前後にFDG-PET/MRIを実施し、画像変化と腫瘍奏効との関連を評価した。結果として、非PD群では優位に治療後FDG集積の低下、ADC値の増加が見られた。FDG集積(TLG)とADCの変化率を用たΔTLG+ΔADCのカットオフ16.5の非PD群の正診率は92%であった。FDG集積とADC値の変化率を組み合わせることで、ICIの治療効果をより正確に予測できる可能性が示唆された。本内容はJ Immunother Cancer. 2020;8(1):e000349に掲載された。 <2020-2021年度>25症例の非小細胞肺がん症例に対し、抗PD-1抗体治療前後にFLT-PETを実施し、その集積の変化と腫瘍奏効に関し検討した。結果として、非PD群ではPD群に比べベースラインと2週後のFLT集積の変化率は有意に低かった。FLT集積の治療2週後の変化率(ΔTLP0-2)でirRECISTでのPD群を診断する正診率は76.0%であった。また、6週後の変化率(ΔTLP0-6)ではその正診率は90.9%であった。ΔTLP0-2のカットオフ60%で2群に分けると、ΔTLP0-2 <60%の群は≧60%の群に比べ有意に無増悪生存期間が長かった(4.4 vs 2.2 months, P =0.0072)。同様にΔTLP0-6のカットオフ50%で2群に分けると、ΔTLP0-6 <50%の群は≧50%の群に比べ有意に無増悪生存期間が長かった(4.9 vs 2.2 months, P = 0.000003)。治療2週後という早い段階でのFLT集積の変化は、その後の治療効果を中程度予測した。しかし、奏効した患者の37.5%にproliferative pseudoprogressionが認められた。治療6週後のFLT集積の変化は、より強くその後の治療効果と関連した。本内容はJ Immunother Cancer. 2021;9:e003079.に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記に示した研究実績は、当初予定していた3段階中の第2段階の結果まで終了している。FDG-PET/MRIとFLT-PETでのICI後の変化を示すことができている。これらの内容は英文誌に掲載された(J Immunother Cancer. 2020 Apr;8(1). pii: e000349.、J Immunother Cancer. 2021;9:e003079.)。 引き続き、免疫チェックポイント阻害剤による腫瘍や生体内の変化をPET/MRI画像やフローサイトメトリーなどを用いた検査法で解析していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫チェックポイント阻害剤が生体内に与える影響は、腫瘍の微小環境のみならず、免疫系統すべてに影響を与えている。 今後、PET画像により腫瘍局所のみならず全身の免疫組織や造血器の変化をとらえ、その変化と末梢血を用いたフローサイトメトリーを用いた細胞増殖能の検討を用いて解析を進める予定である。 この解析によって、これまでよくわかっていなかった局所での免疫応答の変化がとらえれれ、治療法の開発や耐性機序の解明に役立つことが期待される。
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Causes of Carryover |
次の研究内容として末梢血単核球のフローサイトメトリーによる細胞増殖の評価と、PET画像との関連に関する研究を開始しており、研究試薬が必要となるため次年度に使用を行う。
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