2023 Fiscal Year Annual Research Report
Chemoradiotherapy with MMC and UFT for muscle-invasive bladder cancer in elderly patients
Project/Area Number |
19K08127
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
有賀 久哲 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30333818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 光洋 岩手医科大学, 医学部, 助教 (90758137)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / 高齢者癌 / 化学放射線療法 / マイトマイシンC / ユーエフティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高齢の筋層浸潤性膀胱癌患者に対する低侵襲な膀胱温存療法の安全性と有効性を確立することである。具体的には、シスプラチン不耐性患者にも投与可能なマイトマイシンC(保健適応外)を併用した化学放射線療法に関する臨床データを収集することを目指していた。しかし同薬剤は委託製造先の行政処分により2019年10月から自主回収となり、2023年7月27日まで供給が再開されなかったため、研究期間中の特定臨床研究開始は断念された。 他方、当施設では根治的化学放射線療法を受ける高齢膀胱癌患者数に大きな減少が見られ、日本臨床腫瘍研究グループで収集した調査でも対症療法や非治癒的内視鏡切除が高齢膀胱癌治療の主体となっていた。COVID-19パンデミックの影響も考慮されるが、高齢膀胱癌患者において、積極的治療の選択を控える傾向や、適切な医療処置へのアクセスが制限されている可能性がある。 治癒可能性が証明されている放射線治療が実施されていない現状を考えると、治療機会を更に狭くする可能性がある新規抗癌剤の導入研究よりも、放射線治療のハードルを下げることを目指した寡分割照射・短期間照射などの研究が、現在の膀胱癌治療にはより重要と思われる。このような現状評価に基づき、大学病院だけでなく地域の医療機関にも協力を求め、高齢膀胱癌患者における放射線治療の有用性を広く検証することに研究内容を変更した。 この多施設共同試験は、高齢膀胱癌患者に対する放射線治療を登録し、放射線治療の有効性、安全性、QOLを前向きに評価するデザインとなっている。現在まだ症例集積中であるが、高齢膀胱癌患者に対する放射線療法の臨床的意義を客観的に評価する重要な研究成果が期待されると共に、膀胱癌放射線治療の認知度を向上させ適応を拡大させる意義もあると考えている。
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