2021 Fiscal Year Research-status Report
18F-FDG PET炎症イメージングを用いた新たな動脈硬化の予後予測指標の開発
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19K08132
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中西 理子 東邦大学, 医学部, 講師 (90385823)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 下肢閉塞性動脈硬化症 / 18F-FDG PET / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化疾患の予後予測は心血管領域における重要な研究テーマの一つであり、予後改善には動脈硬化の早期発見と治療介入が必要である。特に下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)は重篤化する事が多く予後不良である。動脈硬化の原因として炎症が重要な役割を果たしていると考えられるが、従来の検査法によって炎症性変化や病状進行予測を検出するには限界があり、したがって動脈硬化の炎症と重症度に関する研究も少ない。本研究では、18F-fluorodeoxyglucose PositronEmission Tomography (18F-FDG PET) による炎症イメージングが動脈硬化症の重症度評価として有効であるか、また治療方針決定に有用であるかを検討する。 従来の検査によりASOと診断された18歳以上の50名を試験対象とし、同意を得た患者に18F-FDG-PETを施行する。大動脈~下肢動脈の18F-FDG集積をslice毎に測定し、standardized uptake valueとtarget background ratioを用いて定量評価を行う。本研究では、これらの定量値と臨床所見、炎症バイオマーカー、他の画像所見などを比較検討する予定としており、動脈硬化炎症と疾患の重症度及び臨床マーカーとの関係を明らかにする。 本研究の目的は、ASOを有する患者に対し 18F-FDG PET炎症イメージングを用いた動脈硬化の重症度評価を行い、新たな予後予測の指標を開発する事である。 18F-FDGの集積の程度により、抗炎症薬投与など治療方針決定における新たな指標を開発する事が出来れば、予後改善にも繋がるため、臨床的意義も非常に大きいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者登録に遅れが出ていた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は主にデータ入力と、大動脈~下肢動脈の18F-FDG集積をslice毎に測定し、standardized uptake value (SUV)とtarget background ratioを用いて定量評価を行う予定としており、画像解析ソフトウェアの準備を開始している。
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Causes of Carryover |
患者登録が遅れたため、次年度使用額が生じた。令和4年度は、画像解析及びデータ解析とその発表を行う予定である。
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