2019 Fiscal Year Research-status Report
インビボイメージングによる非ヒト霊長類脳へのDREADD技術の最適化に関する研究
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19K08138
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
永井 裕司 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 研究員(任常) (20415409)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 化学遺伝学 / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
脳部位の神経活動を繰り返し、非侵襲的に操作できる化学遺伝学的技術であるDREADDは、近年、ヒトと同様の高次脳機能を有する非ヒト霊長類への応用が進んでいる。しかし、げっ歯類に比べ利用できる個体数に限りのある非ヒト霊長類に適用するための条件検討は従来の方法では時間的・経済的コストが多大となり、より効率的な条件検討手法が求められている。本研究ではPET等インビボイメージングを用いることで目的導入タンパク(人工受容体)の発現だけでなく操作された神経活動の変化を反映する機能的側面も定量的に評価することで、非ヒト霊長類への適用を効率的に最適化させる手法を確立することを目的とする。 人工受容体の発現量の定量評価のため、ウイルスベクターの条件を複数設定してサル脳内に注入した。またすでにウイルスベクターが投与されたサルを用いて[C-11]DCZを用いたPET測定での人工受容体発現の定量法について複数の解析法の予備的検討を行った。その結果、original multilinear reference tissue model (MRTMo)法が適していると考えられた。 神経活動の変化を反映する機能的側面についてFDG-PETを用いた糖代謝の変化を指標の候補として解析法の検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PETの定量解析法について人工受容体の発現量も機能的側面も比較的順調に検討が進められている。また定量法の確立に向けてモデル動物の作成も滞りなく進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したモデル動物を用いてPETによる定量法の確立を進めるとともに、PETで捉えているものが何かより詳細に調べるためインビトロ実験を含め多角的に検討・評価を進める。
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Causes of Carryover |
実験に必要な消耗品等を最小限に抑えるよう努力したこと、また新型コロナの影響で参加予定だった学会が中止(誌面開催)となったため、当初予定していた旅費が抑えられたため。
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[Presentation] 化学遺伝学とPETイメージングによるサル脳活動操作とモニタリング2020
Author(s)
永井裕司, 宮川尚久, Xi-Ping Haung, Samuel T. Slocum, Yan Xiong, 堀由紀子, 小山佳, 季斌, 平林敏行, 藤本淳, 三村喬生, Justin G. English, Jing Liu, 井上謙一, 熊田勝志, 関千江, 張明栄, 須原哲也, 高田昌彦, 樋口真人, Jian Jin, Bryan L. Roth, 南本敬史
Organizer
第66回日本獣医画像診断学会
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