2021 Fiscal Year Research-status Report
超高精細形態画像と機能画像の統合解析による早期肺癌の次世代予後予測モデルの確立
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19K08149
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩野 信吾 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90335034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 彰太 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20612849)
伊藤 信嗣 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50597846)
伊藤 倫太郎 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (80813336)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超高精細CT撮影 / 原発性肺癌 / PET/CT / 機能画像 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、肺癌症例の膨大な画像・手術・病理データを活用し、浸潤性・予後に関連する超高精細CT、MRI、PETによる新たなバイオマーカー構築を探索し、これらを統合的に解析することで早期肺癌の予後予測の精度向上、次世代の肺癌病期分類改訂に貢献することを目的としている。2019年11月より名古屋大学医学部附属病院に超高精細CTが導入され、肺癌症例の超高精細CTを収集中である。特にこれまでの画像診断では診断が難しかった胸壁浸潤癌について新たな知見が得られる見通しがついている。ただし胸壁浸潤癌の手術症例は数が少ないことから2022年3月まで症例収集を追加し、解析予定である。 またPET/CT、従来型高精細CT、マイクロCTについて画像・臨床データベースから抽出し、それらがTNM分類や予後に与える影響についてレトロスペクティブな解析を行っている。2021年3月からは当施設に呼吸同期撮影可能なPET/CTが導入され、さらなる診断能の向上が期待できる。 2021年度はDeep Learningを研究手法に取り入れ、5mm厚のcovnentional CT画像から0.6mm厚の高精細3次元CT画像を再構成する人工知能(AI)を開発した。このAIを使うと原発性肺癌のTNM分類のT因子に採用されている充実成分径について、空間分解能の低い5mm厚のCT画像においても高精細CT並みに計測できることが明らかになり、第13回呼吸機能イメージング研究会および欧州放射線学会(ECR 2022)にて発表した。本研究の原著論文について英文雑誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年11月には名古屋大学医学部附属病院に超高精細CTが設置され、順調に稼働しており、肺癌症例の収集を開始している。超高精細CTによる胸壁浸潤癌の診断について症例を収集してきたが、もともと胸壁浸潤癌の頻度が低いので症例収集が当初の見込みより遅れてしまった。しかし2022年3月末までに目標症例数に到達したため、結果の解析を始め、今年度中に研究成果を発表できる見込みである。 2020年初頭からのCOVID-19の世界的流行に伴い、国内・海外学会が軒並み中止・延期もしくはオンライン開催となってしまったため、学会発表について十分に行えておらず、他の研究者とのディスカッションが不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は3年の期間を設定し、原発性肺癌、特に早期肺癌の超高精細CT、UTE-MRI、PET画像・臨床データ収集・解析し、最終的に統合したデータを多変量解析し、新たな予後予測因子を探索する。研究代表者は、研究総括とともにCT・MRI画像解析を行い、分担者の中村彰太が肺癌症例のリクルートと臨床・病理解析を、伊藤信嗣はPET画像解析を、伊藤倫太郎はCADの開発とデータ解析を担当する。 2022年度中は肺癌の超高精細CTによる胸壁浸潤の診断について学会発表と論文化を進める。2022年3月末で目標症例数に到達したため、今後、直ちに学会発表の準備に取り組む予定である。また早期肺癌の高精細CT画像を3次元解析することで、気管支鏡による生検の診断予測ができないかどうかについての新たな研究に着手した。これについても2022年度中に研究成果を発表する予定である。 COVID-19のパンデミックについて全世界で回復の兆しが見えており、学会活動が回復していくと思われるので積極的に学会に参加して研究成果の発表と研究者たちとのディスカッションを行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、国内外の学会が軒並み中止あるいはWeb開催に変更されたため、学会参加費や旅費が予定より大幅に減額された。2022年度中には新型コロナウイルスの沈静化が予想されるので、各種学会への参加と発表を精力的に行う予定である。また論文執筆を精力的に行い、論文のオープンアクセス化費用に充当するつもりである。
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Research Products
(2 results)