2021 Fiscal Year Research-status Report
既存CTデータを用いた有限要素解析による日本人の骨粗鬆症相当強度の検討
Project/Area Number |
19K08154
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
馬渡 太郎 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60335974)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症治療における”Goal-directed Treatment”が模索されている。日常臨床で評価手段として使われている DXAによる骨密度や血液検査による骨代謝マーカー、FRAX、大規模臨床試験などがあるが、いずれも患者本人のサロゲートマーカーとしては不十分であることが多く指摘されてきた。骨密度よりも直接的に骨強度を反映するサロゲートマーカーとして、CTデータを用いた有限要素法による推定骨強度の可能性を考えている。本研究では、他の目的で撮影された既存のCTデータを用い、ファントムレスで有限要素法による推定骨強度を評価すること、また、この推定骨強度を実臨床で用いるために日本人の骨粗鬆症相当骨強度の基準値を算出することを目的としている。前年度までに、倫理委員会の承認を受け、他の目的で撮影された腰椎を含むCTデータの抽出を行い、身長、体重、BMI、年齢、DXAによる骨密度検査結果を含むデータベースの構築を行い、全症例が設定した除外基準に該当しないか確認を行った後、個人情報を除去した匿名化処理を行っていた。本年度はそれらのデータの有限要素法での解析を実際に行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画よりも種々の理由で研究が遅延しているが、昨年度無作為抽出していた55歳以上90歳未満女性の144例の匿名化腰椎CTデータを対象に、ファントムレスで有限要素解析を施行した。またCTデータから3次元的骨密度も算出した。除外基準については、骨代謝に重大な影響を及ぼすと考えられる透析症例を除外している。解析対象は、第一腰椎を基本としたが、一部、第一腰椎に重度の変性所見があり解析不能であった症例(それらは第二腰椎や第三腰椎を解析)や造影剤使用により解析不能であった症例も存在した。全解析症例の年齢、身長、体重、腰椎と大腿骨近位部/大腿骨頸部の骨密度計測値などの各種データを含めたマスターデータを作成し、統計処理が行える状態となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた数の対象症例のCTデータが無事収集でき、ファントムレスで有限要素解析が無事施行できた。今後、身長、体重、BMI、DXAでの骨密度データと共に、統計処理を進めているところである。
|
Causes of Carryover |
種々の理由(新型コロナウィルス蔓延に伴う学会活動の停止、会議の停止、など)により、研究の進行が遅延している。予定していた解析自体は遂行できているが、次年度、統計解析やデータの解釈を行う必要がある。
|
Research Products
(1 results)