2020 Fiscal Year Research-status Report
陽子線治療におけるパラメトリックDVH予測モデルの構築と治療高度化の試み
Project/Area Number |
19K08166
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高尾 聖心 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10614216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 昌也 北海道大学, 大学病院, 助教 (40504775)
松浦 妙子 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90590266)
清水 伸一 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50463724)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 陽子線治療 / 放射線治療計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では陽子線治療を対象とし、臨床パラメーターを指標とした類似症例選択に基づく新たなDVH予測モデルを提案し、予測精度向上の可能性を検討した。提案した手法について北海道大学病院陽子線治療センターで治療された34症例の前立腺がん症例を対象に検証を行った。 始めに、予測対象とその類似症例を選択し、類似症例群から平均モデルを作成する類似症例選択手法を提案した。この手法では、標的とOARの近接の状態を表すOverlap Volume Histogram(OVH)とOARである直腸の体積を指標として一個抜き交差検証法を適用し類似症例を選択した。直腸の体積の数値と標的から3mm間隔で離散的に取得した累積OVHの2~5番目の4値を用いて、標的とOARの幾何学的配置が予測対象と類似する症例を求めた。選択された類似の5症例に従来手法による平均モデルを作成しDVHを予測した。またベンチマークとして本手法を適用しなかった場合の従来手法の予測結果と比較した。従来手法モデルによって予測されたDVHにおいて予測誤差が3%以上の値を取った症例とそれに対応する類似症例選択手法の症例の値を抽出し、t検定を行った。その結果統計的な有意差は見られなかったが、すべての平均値を比較するとわずかではあるが予測精度の改善がみられた。DVHの予測モデルを構築する際直腸の体積を指標として加えることが有効な手段であると考えられ、さらに検証に用いる症例数を増やすことで統計的有意差が得られる可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載の計画通りに研究が進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、臨床的有効性について検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響による学会参加取り止め等により余剰が生じたが、物品等の追加購入により効率的に研究を遂行する予定である。
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