2021 Fiscal Year Research-status Report
陽子線治療におけるパラメトリックDVH予測モデルの構築と治療高度化の試み
Project/Area Number |
19K08166
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高尾 聖心 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10614216)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 昌也 北海道大学, 大学病院, 助教 (40504775)
松浦 妙子 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90590266)
清水 伸一 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50463724) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 陽子線治療 / 治療計画 / DVH予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に実施した、臨床パラメータを指標とした類似症例選択に基づく新たなDose Volume Histogram(DVH)予測モデル構築をさらに発展させるため、臨床パラメータとDVH予測精度の詳細な評価を行った。 臨床パラメータとして、前年度に導入した、標的と周辺正常組織(OAR)の近接の状態を表すOverlap Volume Histogram(OVH)を引き続き用いた。前立腺がん陽子線治療症例においてOVHとDVHの関係を調査したところ、OVHにおいて標的から遠位の割合が大きい症例ほどDVHが低線量側で急峻となり、OVHがなだらかな増加傾向を示す症例ではDVHも同様の傾向を示すことが明らかとなった。この知見に基づき、DVH予測精度とOVHの関係をより詳細に評価するため、DVH予測モデルにおける歪正規分布を記述する各パラメータのばらつきとOVHの相関の評価を行った。全体的には明確な相関関係は認められなかったものの、標的近位から2~5番目のsub volumeにおいて、歪正規分布の平均を表すパラメータであるμおよび歪度を表すλについて、OVHに対するばらつきが顕著に大きいことが明らかとなった。これにより、OVHを指標とした類似症例選択に基づくDVH予測の精度向上において、2~5番目のsub volumeのOVHに注目し類似症例を選択することが重要であることが示され、前年度のモデル構築が妥当であることが確認された。 今後は本知見に基づく予測モデルの更なる精度向上の検討および臨床データに基づく検証を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、臨床パラメータと予測精度の関係の評価およびモデル構築に関する検討を実施したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、臨床パラメータを取り入れた予測モデルの改良および臨床的有効性について検討する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響による学会参加取り止め等により余剰が生じたが、物品等の追加購入により効率的に研究を遂行する予定である。
|