2019 Fiscal Year Research-status Report
分化型甲状腺癌に対する放射性ヨウ素内用療法の超早期治療効果予測
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19K08169
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| Research Institution | Kanazawa University |
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Principal Investigator |
萱野 大樹 金沢大学, 附属病院, 講師 (10547152)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 放射性ヨウ素内用療法 / 分化型甲状腺癌 / 遠隔転移 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、遠隔転移を有する分化型甲状腺癌患者に対して、放射性ヨウ素内用療法(I-131内用療法)を施行し、I-131投与4、7日後にシンチグラフィ画像を取得した。
令和元年度、合計50例の分化型甲状腺癌患者に対して、初回I-131内用療法が行われたが、このうち、I-131内用療法前に遠隔転移があるものと想定し、遠隔転移に対する計画的なI-131内用療法が行われたのは15例(30%)であった。転移部位の内訳は、肺転移のみ10例、骨転移のみ1例、肺転移と骨転移両方を有する症例が2例、肺転移と胸膜転移を有する症例が1例、骨転移と胸膜転移を有する症例が1例であった。I-131内用療法後に取得したシンチグラフィ画像では、15例中9例(60％)に転移病変へのI-131集積が認められ、明瞭な集積を認めたものは15例中4例(27％)であった。シンチグラフィ画像で明瞭なI-131集積を認めた症例を主体に、令和2年度以降に2回目のI-131内用療法の方針となった。また、I-131内用療法前に転移病変が明らかでなかった35例中、1例(3％)で初回I-131内用療法後のシンチグラフィ画像で遠隔転移(肺転移)への集積を認めた。本症例についても令和2年度以降に2回目のI-131内用療法の方針となった。
本年度の結果からは、I-131内用療法前に遠隔転移があると想定される症例であっても、I-131内用療法で遠隔転移病変に集積を認めない症例が一定数(今回の結果では40%)存在することが示された。また、I-131内用療法前に遠隔転移があると想定される症例の中で、遠隔転移病変への明瞭な集積確認できI-131内用療法の効果が強く期待できる症例が約3割(今回の結果では27%)存在することが示された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は、遠隔転移を有する分化型甲状腺癌患者16例に対してI-131内用療法を施行し、シンチグラフィ画像を取得した。16例の内訳は、I-131内用療法前から遠隔転移あると想定された症例が15例、I-131内用療法後のシンチグラフィ画像で遠隔転移があることが判明した症例が1例である。これらの症例のうち遠隔転移病変へのI-131集積を認めた症例を主体に、令和2年度以降、2回目のI-131内用療法の方針となった。
当初計画の研究方法では、目標症例数を年間約15例、計30例と想定しており、おおむね当初の予定通りに計画は進展している。
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| Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況からは、当初の計画通りに症例の蓄積が期待できるため、令和2年度の研究では、令和元年度に引き続き、遠隔転移を有する分化型甲状腺癌患者に対するI-131内用療法を施行し、I-131投与4、7日後のシンチグラフィ画像を取得する。また、令和2年度から令和3年度前半にかけて、初回のI-131内用療法が施行された症例について、2回目のI-131内用療法の施行とI-131投与後のシンチグラフィ画像の取得、および、初回I-131内用療法の治療効果の評価を行う。研究最終年度の令和3年度に、各々の症例において計2回のI-131内用療法後に取得したシンチグラフィ画像を用いて、各転移病変へのI-131集積の定量評価を行う。定量評価項目としては、当初計画通り、病変1ml当たりの最大放射能量(Bq/ml-max)、最大放射能量のそれぞれ70%、50%、30%、10%対象領域内における平均放射能量(Bq/ml-mean70、Bq/ml-mean50、Bq/ml-mean30、Bq/ml-mean10)等を算出する。また、同時に、各転移病変における最大Standardized uptake value(SUVmax)と平均SUV(SUVmean)も測定する。シンチグラフィ画像から得られるこれらの定量指標と初回I-131内用療法の治療効果との相関、および、初回と2回目I-131内用療法時の転移病変のSUVmax、SUVmeanの変化と治療効果との相関等を知らべ、本研究の主目的である、I-131内用療法後シンチグラフィ画像を定量化することで、I-131内用療法の治療効果の超早期予測が可能かどうかの検討をおこなう。
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