2020 Fiscal Year Research-status Report
全身の造血活性を可視化する統合型FLT-PET/MRIによる骨髄不全症の病態解明
Project/Area Number |
19K08170
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
辻川 哲也 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 (30380033)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 奈穂子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (50509312)
森 哲也 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 助教 (40397287)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 骨髄不全 / FLT / PET/MRI / 造血活性 / 予測モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、骨髄不全症患者にFLT-PET/MRIを行い、FLT-PETによる全身骨髄や髄外造血巣の造血活性とMRIによる細胞密度・脂肪髄・鉄沈着の程度を同時に画像化かつ定量化し、骨髄不全症の複雑な病態を解明し、最適な生検部位の同定・鑑別診断・治療効果判定を行うとともに新薬や個別化医療に繋がる画像特性と予測モデルを探索することである。血球減少を主体とし血液内科外来を受診した患者のうち、末梢血検査や骨髄生検にて骨髄不全症の診断が確定した患者を対象とする。 昨年度の30件に続き、本年度は15件のFLT PET/MRI検査を施行した。3年間で約60症例を目標としており順調に進んでいる。疾患別では骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、骨髄増殖性腫瘍の順であった。 本研究ではFLT-PETと同時に拡散強調画像(DWI)や鉄沈着を反映するR2*画像を撮影し、骨髄のDWIおよびR2*所見も合わせて検討している。本年度は骨髄に病変のない患者群で骨髄のFDG集積・DWI信号・R2*信号の関係性を調べた。その結果、骨髄のFDG集積はCRP(炎症)、DWI信号は年齢や貧血の影響をもっとも受けやすく、炎症や貧血時の鉄関連性の骨髄生理が明らかとなった。(Tsujikawa et al. Sci Rep. 2020)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では骨髄不全症のFLT-PET/MRIイメージングを20例/年X3年を予定していた。昨年度と本年度の2年間でのべ45例の撮影が出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
このペースで症例の撮影を続けると同時に、FLT-PET/MRIの画像所見と骨髄病理・遺伝子発現・予後との関連性の解析を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍で国内・国際学会の多くがWEB開催となり、移動や宿泊費を抑えられたため。次年度のFLT合成キットの購入に充てる。
|
Research Products
(10 results)