2020 Fiscal Year Research-status Report
羊膜由来間葉系幹細胞を用いた放射線性口内炎の治療法の開発
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19K08192
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
結城 敏志 北海道大学, 大学病院, 助教 (80455633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 俊介 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (10443475)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線口内炎 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞は骨髄など多くの組織に存在し、新しい再生医療材料として注目されている。また、出産後に通常は廃棄される羊膜にも、間葉系幹細胞が存在することが最近明らかとなった。本研究では、担癌患者に施行される放射線化学療法の合併症として、しばしば重篤な経過をたどり有効な治療法のない放射線性口内炎に着目し、羊膜由来間葉系幹細胞による治療効果を明らかにして、放射線性口内炎の新たな治療法を確立するための基盤を整えることを目的としている。 昨年度は動物実験を中心におこない、培養上清投与によって放射線照射軍の体重増加は良好であったが、病理学的スコアや炎症性サイトカインの発現に差がなかったため、今年度は動物モデルの条件設定を行う予定としていた。しかしながら、コロナ禍の影響で動物実験の実施が制限され、予定通りにすすまなかった。 そこで、投与する培養上清の最適化を図る目的で、抗炎症効果をもたらす液性因子に着目し、羊膜由来間葉系幹細胞に強発現させて培養上清を採取し、抗炎症効果がもたらされるかを検討することにした。 in vitroの系では、この培養上清が培養マクロファージに対する抗炎症効果を増強することはなかった。しかしながら、逆にこの液性因子をノックダウンすることで、培養マクロファージに対する培養上清による抗炎症効果が減弱したため、羊膜由来培養上清による抗炎症効果に大きく寄与している因子であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験んがコロナ禍の影響で予定どおりすすまなかった。しかしながら投与する細胞の最適化を図るための実験をおこなうことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
投与する培養上清のゲル化するための基材の種類と濃度について至適条件を決定する。また、動物モデルは5-FUなどによる化学療法誘発性口内炎モデルの作成を行って培養上清の効果を検討する。
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Causes of Carryover |
今年度は動物実験が予定より実施できず、また旅費の支出予定がオンラインとなったため、次年度使用額が生じた。次年度は動物実験を多く実施する必要がある。
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