2021 Fiscal Year Annual Research Report
Boron distribution study for newly developed BNCT agents
Project/Area Number |
19K08194
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中井 啓 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50436284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 文代 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (30261811)
中村 浩之 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (30274434)
白川 真 福山大学, 薬学部, 講師 (40707759)
松本 孔貴 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70510395)
鶴淵 隆夫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70778901)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ホウ素中性子捕捉療法 / アルファ線 / ドラッグデリバリーシステム / アルファオートラジオグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
大きく分けて二つの実験系を利用した。 1.リポソームによるドラッグデリバリーシステム 血管から間質、腫瘍細胞にもっともホウ素中性子捕捉療法が有効に働くホウ素アミノ酸投与条件を検討するにあたり、まず、血管から間質へ漏出しないナノ粒子を作成し、担癌マウスにおいて、ホウ素投与、中性子照射による腫瘍増殖抑制試験を行った。その結果、血管内に存在し、リポソームに内包されているホウ素化合物については、腫瘍増殖抑制試験に影響を与えなかった。 2.アルファオートラジオグラフィによるアルファ線の光学的検出 液体中のホウ素化合物と接した状態で配置されたCR39によるアルファ線の検出を試みた。その結果、アルファ線の検出は液体中ホウ素濃度の上昇に比してピット数の上昇をみとめた。アルファ線の飛程から、CR39に5μm以内に接しているホウ素化合物が反応していると考えられる。引き続き、CR39上に、予め顕微鏡で細胞の位置を画像で記録しておくための位置合わせマーキングを施した。さらに不死化癌細胞を接着培養し、培地にホウ素をくわえ、中性子照射をおこなうことで、予め染色(メチレンブルーなど)で細胞位置を同定し、そのごエッチング処理することでアルファ線通過部分を顕微鏡下に可視化することが可能となった。 以上の結果から、今後、接着細胞が生細胞の状態でのホウ素投与、中性子照射をおこなうことで、これまでのような、細胞懸濁液による細胞照射実験との差異があるかどうかを確かめる計画である。また、培地のホウ素投与のタイミング、濃度、照射時培地交換の有無によって真に細胞内部からのアルファ線がコロニー形成抑制をもたらすかが検証できる。さらに、同様の効果を、動物の腫瘍を含む各組織の薄切組織切片をはりつけて照射することで、核の位置と、アルファ線の発生部位との検討が可能な見込みである。
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Research Products
(1 results)