2020 Fiscal Year Research-status Report
化学療法を受けた悪性リンパ腫における放射線感受性の多様性に関する研究
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19K08219
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
玉木 義雄 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60188422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 寛 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10225435)
水本 斉志 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (20512388)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 / 悪性リンパ腫 / 放射線治療 / 放射線感受性 / 線量 / micro RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
1.症例解析 びまん性大細胞性B細胞性リンパ腫(DLBCL)と診断されたか、DLBCLの可能性が示唆される155例について、病歴、治療内容、放射線治療効果、病理診断、病理検体の保存状況について調査を進めている。今年度は、臨床情報の概要およびこれまでの免疫染色の結果は集積できた。今後は追加染色が必要な症例および、micro RNA解析が可能な症例を抽出し、研究を促進させる。
2.マイクロRNA(miRNA)解析に関する研究 miRNA解析に関しては、対象症例の抽出と外部委託先の検討を行う予定であったが、目標には到達しなかった。miRNAと悪性リンパ腫および放射線治療に関する文献検索では、胃DLBCLではmiR-150発現の低い症例は予後不良であることが報告された(Oncol Lett. 2020 ;19(5):3487-3494)。miR-150は、節外性NK-T細胞リンパ腫・鼻型で、その発現低下が放射線抵抗性に関与しているとの報告があり(J Exp Clin Cancer Res. 2018;37(1):18)、本研究において注目すべきmiRNAの一つと考えられた。また、miRNAと放射線感受性に関する2偏のシステマティックレビューが報告された。その結果では、乳癌では36種類のmiRNAが放射線感受性に関与していた(Int J Radiat Biol. 2021;97(3):289-301)。また、19の癌腫の解析では、80種類のmiRNAが放射線感受性に関与していた(Crit Rev Oncol Hematol.2021; 157:103183)していた。これらの報告の中には、DLBCLに関する報告は認められないことから、本研究を継続する意義はあるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1)診療ならび管理業務に多くの時間を費やし、研究業務に支障をきたした。 2)コロナ禍の中で院内感染対策に費やす時間が多く、出張の制限が研究の遂行に障害となった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.臨床情報および既存の病理診断情報の収集を終えることを第一の目標とする。その上で、必要な症例には追加の免疫染色を行い、DLBCLの細胞起源(cell of origin)と、放射線感受性の関係についてまとめて、論文化する。 2.micro RNAに関しては、放射線抵抗性と感受性例を抽出し、両群のmicro RNAの発現の差を解析する。
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Causes of Carryover |
研究の遅滞、コロナ禍における国内外出張の制約のため、次年度使用額が生じた。 R3年度に実施する、免疫組織染色やmicro RNAの解析、研究成果発表のための学会参加費、旅費等に当てる予定である。
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Research Products
(7 results)