2019 Fiscal Year Research-status Report
Application of Cu-64 PSMA-PET for the detection of PSMA expression in differentiated thyroid cancer
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19K08220
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
樋口 徹也 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (60323367)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PSMA / Cu-64 / PET / thyroid cancer |
Outline of Annual Research Achievements |
去勢抵抗性前立腺癌における細胞表面特異性抗原のPSMAをターゲットとしたPSMA治療がミュンヘン工科大学など欧米の医療機関で行われPSA完解の症例が見られるなど、今後の本邦での臨床応用が期待されている。PSMAは、前立腺癌以外の癌でも発現が見られ、甲状腺癌の治療にも応用の可能性がある。欧米では、Ga-68 PSMA-PETによるPSMA発現の評価が一般的であるが、本邦では、Ga-68のジェネレーターが高価であり、また、普及も進んでおらず、実際の実施が普及しない。一方、当院では、サイクロトロンにより、Cu-64の合成が可能あでり、動物実験の実績も多い。このため、本研究では、放射性ヨウ素(I-131)治療抵抗性の転移性分化型甲状腺癌の治療としてPSMA治療が成立するかについてCu-64 PSMA-PETにより判断できるかについて検討を始めた。 I-131治療抵抗性となった転移性分化型甲状腺癌の治療では、近年、分子標的薬であるレンバチニブが保険適用となったが、レンバチニブ治療でも効果が不十分な症例があり、高血圧や手足症候群や腎障害などの副作用により休薬せざるをえない症例もあり、また、効果があっても費用が高額な分子標的薬を生涯服用し続けなければならないなどの問題点が存在する。I-131治療抵抗性となった分化型甲状腺癌病変でのPSMA発現を評価することができれば、PSMA治療の適応となる症例の選択が可能となるためであり、本研究では、Cu-64 PSMA-PETによるPSMAの発現評価を行うシステムを当院で構築すべく、動物実験にてその有用性を評価する準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学医学部寄附講座バイオイメージング情報解析学の花岡宏史准教授の協力の下、甲状腺分化癌腫瘍移植モデルでのCu-64 PSMA-PETでの評価を行っている。 甲状腺乳頭癌細胞株、濾胞癌細胞株を購入し培養を行う準備を留学生のSuman Shrestha氏が行っていたが、昨年、8月に本学のANMEGプログラムにて、大学院を卒業し、欧州にて核医学の研修を行っていたこともあり、準備に時間を要していた、また、その後、COVID-19の流行に伴い、研究活動制限があり、本実験の実施が困難となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、COVID-19の流行の終息を待って、花岡宏史准教授と相談し、Suman Shrestha氏とともに、甲状腺乳頭癌細胞株(K1,FTC-133, FTC-236, FTC-238, RO82-W-1)、濾胞癌細胞株(Nthy-ori 3-1)を購入し培養を開始し、甲状腺癌の腫瘍移植マウスモデルを作成する。 Cu-64 PSMAの合成は、群馬大学医学部附属病院中央診療棟の地下1階PET/SPECT室で行う。住友重機製のサイクロトロンCypris HM-18を用いてCu-64の合成を行い、Cu-64 PMSAの合成は、ホットラボ室で行う。 合成された、Cu-64 PSMAは、RI研究施設にて各腫瘍移植モデルマウスの尾静脈より投与を行い、経時的に動物用PETカメラ(Inveon, Siemens社製)にて、甲状腺癌への集積状態を撮像する。腫瘍への集積は、SUVmaxでの評価を行う。経時的撮像では、1時間までは、ダイナミック撮像を行う。そして、各群5匹とし、腫瘍への集積量を%ID/gにて評価する。以上の実験により、Cu-64 PSMAの腫瘍移植マウスでの集積について評価を行う。
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Causes of Carryover |
実施が遅れている、細胞培養、Cu-64 PSMA合成、動物実験に関わる費用や研究助手として実験を実施するSuman Shrestha氏の人件費、研究情報収集、成果の発表のための旅費などに支出を行う。
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